地震でお湯が出ない? ガスメーターが点滅したときの復帰方法と注意するポイント
給湯器などのガス機器は、大きな地震が発生した際、安全装置が作動して停止することがあります。
地震が収まった後にガス機器を使用する場合、安全の確認と、復旧作業が必要となりますので、ガス機器の復帰方法と作業時の注意点についてご紹介します。
目次
1.震度5以上ではガスメーターの安全装置でガスが遮断する
ガスメーターの多くは震度5以上の地震が発生した場合、安全装置が作動してガスが遮断する設計となっています。
ガス機器に破損がなければ、その後も使用することができますが、再稼働させる際の復旧作業には手順がありますのでご注意ください。
(1)ガス機器の復帰前に安全確認は必ず行うこと
地震の揺れが収まったら、復旧作業の前に給湯器のリモコン等で運転スイッチを切ってください。
大きな地震が発生した場合、震動により給湯器本体だけでなく、ガス管が破損する可能性もあります。
天然ガスは元々無臭ですが、ガス会社はガス漏れに気づけるように、腐ったような臭い(付臭剤)を付けています。
給湯器周辺に不快な臭いを感じたら、ガスが漏れていることが考えられますので、窓を開けて換気し、契約しているガス業者へ連絡してください。
またガスが漏れている可能性があるときは、引火等の危険を回避するために、以下の行為は絶対に行わないでください。
(2)ガス会社の判断により供給地全体での遮断される場合もある
都市ガスは地震対策の一つとして、地震の規模に応じてガスの供給を停止することがあります。
ガス業者がガスを停止するのは二次被害を防ぐものであり、供給停止の範囲はガス会社が区分したエリアごとになります。
したがって地域単位でガスの供給が停止した際は、自治体やガス供給会社のホームページでご自宅へのガスの供給状況を確認してください。
一方、LPガス(プロパンガス)については、各家庭へガスが個別供給されています。
そのためエリアごとの供給停止はなく、都市ガスよりも災害時の調査・点検・復旧までの時間が短いです。
復旧作業はマイコンメーターを操作することで行えますが、表示されているエラーが解消されない場合は契約しているガス業者へご連絡ください。
2.ガスメーターの復帰方法
都市ガスとLPガス(プロパンガス)では、ガスメーターの復帰方法が異なります。
契約しているガスの種類を確認し、種類に応じた方法により復旧作業をしてください。
(1)都市ガスの場合
震度5以上の地震が発⽣した際は、安全のためガスメーターがガスを遮断することがあります。
ガスメーターが遮断する際は赤ランプ点滅がありますので、復帰する際は次の手順に従って作業してください。
<都市ガスの復帰方法>
復帰ボタンを押して3分経過しても赤ランプの点滅している場合、動いているガス機器がまだ存在する可能性と、ガス漏れの可能性があります。
稼働しているガス機器ないか再度確認していただき、すべてのガス機器が停止している状態でも赤ランプが点滅している際は、ガス漏れの疑いがありますので、換気を行った上で契約しているガス業者に連絡してください。
(2)プロパンガスの場合
LPガス(プロパンガス)は、マイコンメーターにより復帰させることになります。
ガスの供給が一旦遮断した場合でも、契約者がマイコンメーターを操作し復帰させてガスの供給を再開させることが可能です。
復帰方法は、次の手順で行います。
<プロパンガスの復帰方法>
マイコンメーターが繰り返し遮断する際は、配管の損傷等が生じていることも考えらえます。
そのような状況下でマイコンメーターの復帰作業を繰り返すと、二次災害の発生する危険がありますので、契約しているガス業者へ連絡してください。
(3)最近は赤ランプが点滅しない超音波式マイコンメーターもあります
最近のガスメーターの中には、赤ランプ点滅の代わりに液晶画面のデジタル表示で【ガス止】または【止】と表示し、ガスの遮断を知らせるタイプがあります。
UH型やJO型などがあり、基本的な復帰操作は同じです。
<赤ランプが点滅しないガスメーターの復帰方法>
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3.ガス以外の給湯器の簡単なリセット方法
故障ではなく安全装置が作動して動かなくなった場合、リモコンや本体の基盤をリセットして再稼働させる方法もあります。
(1)リモコン・本体の基盤リセット
リモコン式の給湯器の場合、液晶画面にエラーコードが表示されているかを確認してください。
エラーコードの中には電源のオン・オフを求めるものあり、スイッチを切り替えるだけでエラーが解消されることもあります。
リモコンが付属していない給湯器については、給湯器本体の電源プラグを抜きさししてリセットします。
電源プラグを抜きましたら10秒ほど間を空け、再び差し込むことで停止した給湯器が再び作動するようになります。
注意点として、電源プラグの抜きさしによりリセットする方法は、ガスの臭いがある場合や雨が降っている場合は、安全性の観点から絶対に行わないでください。
ガスの臭いがする状況下ではガスが漏れている可能性があり、電源プラグを入れる際に引火する危険や、雨が降っている際は感電する恐れがあります。
集合住宅など、給湯器のブレーカーが操作できるケースでは、ブレーカーが落ちているかを確認し、オフになっている場合はスイッチを入れ直してください。
スイッチが入っている場合でも、リセットをする際は、一度ブレーカーを落としてから再びスイッチを入れるようにしてください。
なお上記の方法でエラーコードが解消されない場合、ガス機器等の修理・交換が必要になることが考えられますので、業者に作業依頼をしてください。
(2)水栓の確認・水漏れフィルターのお手入れ
地震の際に確認すべき箇所の一つに、水栓があります。
給湯器は経年劣化により部品の状態が悪くなり、その結果水漏れが発生することも珍しくありません。
地震は給湯器に強い衝撃を与えますので、震動が原因で部品が破損し、水漏れすることもあります。
そのため大きな地震が発生しましたら、水栓を確認していただき、水漏れの有無を調べてください。
水漏れが発生していないにも関わらず、水の出が悪い場合や、お湯にならない場合は、水抜き栓のフィルターにゴミなどが詰まっていることが原因の可能性があります。
フィルターをお手入れすることで、水の出などは解消されますので、栓を外し、歯ブラシ等を使ってフィルター部分を水洗いしてください。
水抜き栓を取り外す際は、内部に溜まった水が出てきますので、手入れを行う際は水を受ける容器の準備が必要です。
また水抜き栓とフィルターの間にはパッキンがありますので、掃除する際に無くさないように注意し、掃除が終わりましたら栓を元に戻して、水抜き栓の周囲に水漏れがないかを確認してください。
給湯器内部の水漏れは、微小であったとしても水濡れによってガスが不完全燃焼を起こす可能性があります。
不完全燃焼は一酸化炭素を発生させ、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があるため大変危険です。
一般的なガス漏れは、ガス自体に危険を知らせるための臭いが付いていますが、一酸化炭素は無臭なので気が付くのが遅くなります。
そのため水漏れがありましたら使用を停止し、換気を行った上でガス業者へ連絡してください。
4.まとめ
地震によってガスが止まってしまっても、復帰方法を知っていれば、復旧作業後すぐに使用できるようになります。
しかし異臭などがしている場合はガス漏れなどが発生している可能性があるため、二次被害を防ぐために換気を行ってから、ガス業者へご連絡ください。
ガス機器はどんなに丁寧に使っていても、長期間使用していると経年劣化で機器は壊れやすくなります。
安心・安全に使用するために、ガス機器の不調を感じましたら業者に点検依頼をしてください。