ビルトインガスコンロが点火しない! しばらくすると火が消えてしまう! どうして? どうする?
「いつものようにガスコンロを使おうとしたら火がつかない」「火はつくのにしばらくすると消える」という現象が起こるとびっくりしますよね。
急に使えない焦りと同時に「ガス漏れは大丈夫?」「故障で交換になったらどうしよう…」など、ガスを使用しているからこその不安もあるでしょう。
このような場合、状況によっては自身で解決ができることもありますが、なかには交換が必要なケースもあります。
今回は、ビルトインガスコンロについて「火がつかない・火が消える」というケースごとの対処法をお伝えしていきます。
また、自分で対処できない場合は、修理や交換を専門業者に依頼しなければなりません。
依頼先を決めるときに知っておきたいポイントもご紹介していきます。
目次
1.そもそもビルトインガスコンロとは?
ビルトインガスコンロは、キッチンに組み込まれた状態のガスコンロのことを言います。
一体化しているのでキッチンからの凹凸もなく、ガス管も隠れてすっきりした見た目が特徴です。
最近のビルトインガスコンロは進化しており、「加熱し過ぎを防止する装置がついたもの」「消し忘れを消火する機能」「下部にオーブンがついているもの」など種類が豊富です。
交換の際には、「標準幅」や「ワイド幅」などサイズの違いがあるため、間違えないようにしましょう。
また、交換が必要となったとき、据え置き型なら自分でも交換が可能ですが、複雑な構造のビルトインガスコンロの場合、ガスの取り扱いができる資格を持っていなければ交換作業を行うことができません。
ビルトインガスコンロの交換は、ガス工事に必要な資格を持った専門業者に依頼しましょう。
2.火がつかない! 火が消える! 自分でできる対処法
急に火がつかなくなると「壊れた…交換か…」と頭によぎるかもしれませんが、現象によっては自分で直せることもあります。
それでは、火がつかない原因と対処法をケースごとに見ていきましょう。
(1)点火はできるのに、すぐに消える
ビルトインガスコンロのバーナー周辺は、温度センサーやバーナーキャップ、立ち消え安全装置などで構成されています。
汁物の吹きこぼれなどで周辺が汚れていると、その水分で正常に動きません。
まずは、水をしっかりと絞った布地を使い、片手を添えながら丁寧に拭き取ってみましょう。
(2)何回点火しても、火がつかない
バーナーキャップや五徳の誤った取り付け方によって点火ができていないケースがあります。
お手入れのときに取り外し、その後、正しい位置に取り付けられておらず、点火できないのかもしれません。
火がついたとしても不完全燃焼のリスクがあるので注意しなければなりません。位置のずれがないかチェックしてみましょう。
(3)何回か点火して、やっと火がつく
電池が古くなって、火がつきにくくなっているかもしれません。
長らく電池交換をしていない場合は「電池切れ」で点火できない可能性も考えられます。
最近では、電池が減ってくるとランプでお知らせしてくれる機器もあるので、早めに交換しておきましょう。
(4)片側からしか炎が出ていない
片側からしか炎が出ていない場合は、バーナーキャップが目詰まりしているのかもしれません。
本来、炎が出るところが塞がっている状態のため、不完全燃焼で一酸化炭素中毒が起こるリスクも高まります。
詰まりが確認できたら、歯ブラシなどで除去しましょう。お手入れ後は、位置がずれないように正しくセットしてください。
(5)炎の色が「赤色」や「オレンジ色」
ガスコンロから出る炎の色は、正常であれば「青色」です。炎の色が赤やオレンジになっているとき、酸素が不足しているのかもしれません。
換気扇を回すほか、窓を開けて換気をしてみましょう。
また、バーナーキャップの目詰まりで炎の色が赤くなっている可能性もあります。実際に汚れが詰まっていたら、まずは清掃してみましょう。
そのほか、水道水を入れた加湿器の蒸気が炎の色を変化させている場合があります。
コンロ周辺にある加湿器の動作をいったん停止して炎の様子をチェックしてみてくださいね。
3.修理・交換をどこに頼む? 注意点とメリット・デメリット
電池切れ、目詰まり、ずれなどが原因の場合、自分で対処ができます。
でも、なかには修理や交換が必要な不具合もあります。そこで「どこに頼めばいいの?」と困ってしまう方もいるでしょう。
それぞれの依頼先によって、メリット・デメリットが異なりますから事前に把握しておくと安心です。
ビルトインガスコンロの接続には資格が必要です。そのため、必ず有資格者のいる業者に依頼しましょう。
(1)ガス会社
都市ガスやプロパンガスなど、ガス会社でビルトインガスコンロの交換が可能です。お使いのガス会社へ連絡してみるといいでしょう。
購入はもちろん、取り付け後の相談などアフターフォローも依頼できます。
ふだんからガスを中心とした業務内容であることから、安心して依頼できるのがメリットです。
ただし、ガス会社は機器本体の割引率は低めです。取付工事も含めて考えると、他業者と比べて割高と感じやすいでしょう。
また、取り扱いのある機器の種類はそれほど多くないため、限られた商品から選ばなければならないのがデメリットです。
(2)ビルトインガスコンロメーカー
ビルトインガスコンロメーカーでも交換対応してくれます。
メーカーの場合、豊富な商品ラインナップが魅力です。メーカーや商品へのこだわりがある場合は、在庫切れや取り扱いがないなどの心配がいらないビルトインガスコンロメーカーがおすすめです。
しかしながら、「値引きが期待できない」というデメリットもあります。
メーカー希望小売り価格での取り扱いとなるため、価格面では割高感があるでしょう。
また、取り付け工事については、電話受付はメーカーでも、実際に工事をするのは委託業者であることがほとんどです。
メーカーであれば自社製品の詳細を把握したうえで取り付け作業を行ってくれて安心かといえば、そうとも言えないので注意が必要です。
(3)工務店やリフォーム業者
お住まいに関するあらゆる相談ができるのが工務店やリフォーム業者です。セール商品も実績も多数あります。
また、ビルトインガスコンロの故障や老朽化だけでなく、システムキッチン本体も同じタイミングで老朽化しているケースもあるでしょう。
工務店やリフォーム業者の場合、ビルトインガスコンロだけでなく、それ以外でも相談に乗ってもらえるのがメリットです。
自分では気づかない不具合などを指摘してもらえるので、ガスコンロの交換をきっかけに住まいの不安を解消していくことにも繋がるでしょう。
ただし、工務店やリフォーム業者のなかには、ガス工事に関する有資格者がいないにもかかわらず作業を請け負う悪徳業者もいるため注意が必要です。
資格のない作業員がガス工事を行うことは危険なので絶対にしてはいけません。
自社に有資格者がいないために協力業者へ依頼する場合は、料金が割高になる場合があるので注意しましょう。
(4)ホームセンター
最近はホームセンターで住宅機器を取り扱っているケースも増えてきました。
展示されている商品もあるので「現物を見て決断したい」という人にはメリットとなるでしょう。
機能や取付工事で分からない点も店頭のスタッフに相談ができます。
ただし、店頭スタッフの人はそれほど完璧に知識があるとは言い切れません。
また、実際に作業するのは外注業者です。機器を選んだあと、取り付け業者による現地調査、それから見積もり提示…と、作業までに時間がかかるのもデメリットとなるでしょう。
(5)ネット通販(交換のみ)
ビルトインガスコンロの機器本体の価格でいうと、ネット通販はとても安く感じるかと思います。
機器をネット通販で購入し、安く交換工事をしてくれる業者が見つかれば、費用はかなり安くなるでしょう。
ただし、現物を見ずに機器を注文しなければなりませんので、サイズやガス管の位置などに注意が必要です。
届いた商品に不具合があった場合の補償や交換ができるかなど、注文前に必ず確認しましょう。
取り付ける商品にもともと不具合があるなどのトラブルを避けるため、持ち込み商品の工事を請け負ってくれる業者はそう多くはありません。
商品が届いてしまってから、取り付け業者が見つからないということにならないよう、商品を注文する前に取り付け業者を探しておくことをおすすめします。
また、基本工事費込みとなっていても、予期せぬ追加工事で追加費用が発生する可能性もゼロではありません。
なかには悪徳業者もいるので注意しましょう。
(6)見積もりの内容は十分に確認を!
交換作業の見積もりをする場合、「古いガスコンロの処分費用が含まれていないケース」「機器代金だけで作業料が別途発生するケース」などがあるので注意が必要です。
はじめに提示された金額だけに左右されず、見積もり以外にガスコンロの処分費や作業費などの追加費用はないかについて十分に確認しておきましょう。
これらが工事費に含まれていない場合は、当日になってから追加費用になる場合があるので注意が必要です。
ビルトインガスコンロの交換費用の目安は、こちらの記事をご覧ください。
▶ガスビルトインコンロ交換費用!ガスコンロ交換費用について詳しく解説していきます。
また、コロナ禍の影響で、交換・修理に支障が出る場合もあるので、依頼の際には業者に確認しましょう。
4.まとめ
ビルトインガスコンロの寿命は10年と言われているので、それを過ぎると不調が増えてくるでしょう。
火がつかない、すぐに消えるという現象も、なんらかの対応で回復できると、そのまま使い続ける方もいるかもしれません。
しかし、本来の交換サインを見逃して使い続けると、重大な事故に繋がることもあるので、10年を超えたビルトインガスコンロで不調が出てきたら交換を検討しましょう。
また、業者に見積もりを依頼する際は、ガスコンロの処分費や作業費なども確認しましょう。
これらが含まれていない場合に、あとから追加費用が発生する場合があるので注意が必要です。