給湯器エラー「632」は故障?原因と自分でできる対処法
給湯器に突然表示されたエラーコード。
数字が出現して給湯器が使えなくなると「昨日まで普通に使えていたのに故障!?」「どこに連絡すればいいの?」と焦りますよね。
なかでも、表示されやすいエラーコードもあり、そのうちのひとつが「632」です。
ただ、632というエラーコードが出たからといって、必ずしも故障しているわけではありません。
自分で対処して、その後、再び普通に使えるようになる場合もあります。
そこで、エラーコード632について、どのような場合に表示されているのか、その対処法と修理に関する情報を解説していきます。
目次
1.エラーコード632が出るのはどんなとき?
給湯器メーカーごとに、「エラーコードが出たときの原因・対処法」を製品情報としてお客様にお知らせしています。
それぞれのエラーコードの名称は異なるものの、内容に関しては大筋で同じような意味です。
エラーコード632について、給湯器を扱う主なメーカーでは次のように表記しています。
つまり632のエラーコードは、“内部でお湯が循環不良を起こしている”ということになります。
分かりやすく言うと「お湯が吸い込めずに追い焚き運転ができない」というイメージです。
エラーコード632が出たときの原因として考えられるものをいくつかピックアップしてみました。
(1)湯量が足りない
お湯の量が不足しているにも関わらず追い焚き運転をすると、お湯が取り込めずに空回り状態になります。
通常、追い焚き運転時は、循環アダプターを通じて「浴槽→給湯器」とお湯を循環させ再加熱、そして再び「給湯器→浴槽」へと戻してお湯を沸かします。
そのため、浴槽の水量が循環アダプターのところまでない場合、循環そのものができずに空回りしてしまうのです。
「浴槽にお湯が入っていないのに追い焚きボタンを押してしまった」というときも、このエラー表示が出るでしょう。
(2)循環アダプターの目詰まり
循環アダプターの目詰まりが原因でエラーコードが出るケースもあります。
循環アダプターは、髪の毛やゴミなどが内部へと入り込まないように細かいフィルターのようになっているものの、毎日の入浴で湯垢が張り付きやすい箇所です。
しかし、浴槽を洗うときに忘れてしまう人も多く、いつの間にか目詰まり状態になっているお宅もあるでしょう。
特に、入浴剤を入れたまま翌日まで放置すると、入浴剤によっては雑菌が多く繁殖し、ぬめりが発生する、成分が沈殿するなど、目詰まりしやすくなるため注意しましょう。
また、目詰まりの掃除をした後に、アダプターの取り付け方が不十分でエラーコードが出るケースもあるので、エラーが出る場合には正しく取り付けているか確認をしてください。
(3)凍結
寒冷地の場合、配管の水が凍ってエラーコード632が出るときがあります。
本来お湯が循環する通り道が「氷」でブロックされている状態です。
特に、冬に雪が降り積もり氷点下になるような地域の場合に出たエラーコードは「凍結」の可能性も考えられます。
(4)給湯器の故障
「湯量も十分」「循環アダプターの目詰まりもない」「凍結はない」などの場合は、故障している場合があります。
特に、給湯器の設置から10年を過ぎていれば、故障によってエラーが出ているのかもしれません。
2.エラーコード632|自分でできる対処法
お伝えしたように、エラーコード632は、“お湯がうまく取り込めない”という原因で起こります。
さまざまなエラーコードのなかでも、比較的起こりやすいエラーと言えます。
エラーが出ると、危険なのではと慌ててしまいがちですが、ご自身の対処で直ることも多いので、まずは次のポイントをご確認ください。
(1)お湯の量を確認する
632のエラーコードが出たときは、まずはお湯の量をチェックしてください。循環口までお湯の水位が達していない場合のエラー原因は、湯量不足です。
通常、追い焚き運転をするには、循環口の上5センチまでの湯量が必要です。水量を足したら、追い焚き運転を再開してみてください。
(2)目詰まりの有無を確認・掃除する
循環アダプターを回して外し、汚れが溜まっていないか確認しましょう。丁寧に水洗いし、このとき、本体の方の汚れもチェックします。
循環アダプターを再び取り付けるときは、取付不良に注意してください。
多くの場合、本体とフィルター部に「△マーク」などの目印が刻まれています。
それを合わせて、カチッと止まるまで右に回し、動かないように固定して取り付けましょう。
(3)凍結の場合は自然解凍を待つ
季節が冬、かつ“浴槽内が空”というときは、凍結して追い焚き運転ができない可能性があります。
凍結の場合は、凍った配管が自然に解凍するのを待ちましょう。
凍結の場合に配管にお湯をかけてはいけません。
急激な温度変化で配管が傷んだり割れたりしてしまう場合がありますので、自然に解凍するのを待ちましょう。
浴室暖房乾燥機を運転する、もしくは浴槽内にキッチンや給湯ポットで沸かしたお湯を手作業で入れるなど、浴室全体や浴槽内を温めると解凍が少し早まります。
また凍結予防として、冬に氷点下になるような地域の場合、冷え込みが厳しい夜は浴室の蛇口から細く水を出しておく、凍結しやすい場所にあらかじめ凍結防止シートを巻き付けておくなどの防止策もあります。
(4)対処をしても改善できなかった場合
「いくつかの対処法を試しても表示が消えない」、もしくは「いったんエラーが消えたのに繰り返す」などの場合は、お客様には分からない何らかの不具合、または老朽化による故障かもしれません。
なるべく早く業者に修理・交換を依頼しましょう
3.修理・交換の依頼先と費用の目安
エラーコード632が消えない場合や、繰り返し出てしまう場合は、どこに修理や交換をお願いすればいいでしょうか。
(1)主な依頼先
エラーコードが出たときに修理・交換の依頼ができる業者は、主に「ガス会社」「給湯器メーカー」「給湯器専門業者」の3つとなります。
ガス会社は連絡しやすいというメリットがあります。
しかし、主な業務が「ガス販売」ということもあり、給湯器の値引きをあまりしてもらえず、取り扱いの機器も限られているのがデメリットと言えるでしょう。
給湯器メーカーなら、選べる機器のラインナップが豊富です。
商品知識があり、状況を伝えたときに話が通じやすいというメリットもあります。
ただ、電話受付やカスタマーセンターの対応がスムーズでも、依頼が重なっている場合には、実際に作業する人からの連絡や工事日程が遅く感じられる場合もあるでしょう。
また、定価販売となるため、かなり割高に感じるかもしれません。
給湯器専門業者なら、電話受付から日程調整までがスムーズです。ガス会社や給湯器メーカーに比べて、価格も安い場合が多いです。
優良業者の場合、知識も豊富で安心感はありますが、なかには施工技術が未熟だったりガス工事に必要な資格がなかったり、さらには不当な高額請求をおこなうような悪徳業者もいるため、信用に値する業者かどうかという見極めは必要でしょう。
(2)修理・交換費用の目安
修理をする場合の費用は、それぞれ「どこが故障しているか・どんな部品が必要なのか」などによって大きく異なります。
そのため、修理費用は、お住まいごとに現地調査をしてからの見積もりとなります。
ただ、故障内容にもよりますが、「修理費用が高額」「すでに長年使用していて寿命が近づいている」などの場合、修理に多額のお金をかけるよりも新品の給湯器に交換した方が結果的にお得となる場合もあります。
給湯器の価格は「壁掛け」「据え置き」などさまざまな種類があります。
エコジョーズやハイブリッド給湯器などの省エネ機能がついたものもあり、大容量・高機能なものほど価格も高くなります。
一般的な戸建て住宅用の給湯器の場合、給湯器メーカーと給湯器交換業者の給湯器価格の目安は以下の通りです。
給湯器の種類 | 給湯器メーカー | 給湯器交換業者 |
壁掛け型 | 約25万~37万円 | 約12万~14万円 |
据え置き型 | 約30万~36万円 | 約14万~16万円 |
エコジョーズ付き・壁掛け型 | 約30万~41万円 | 約14万~16万円 |
エコジョーズ付き・据え置き型 | 約32万~42万円 | 約15万~17万円 |
また、現場の状況によって部材や作業料が通常よりもプラスでかかるケースがあります。
詳しくは、現地調査をおこなったうえで、状況に合わせた見積もりを出してもらうことが大事です。
給湯器の価格について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
(3)注意点
給湯器を修理・交換するときは、信頼できる業者の見極めが重要となってきます。
これまでの施工実績が少なければ、作業を任せることに不安を感じてしまうでしょう。
信頼できない業者は、保証がしっかりしていない可能性もあります。見積もりを取って内容をしっかりとチェックしましょう。
また、在庫数にも注意が必要です。コロナ禍によって深刻となった半導体不足による給湯器の不足問題。
各メーカーも納期の遅延が起こっており、前述したそれぞれの依頼先でも在庫状況は通常よりは少なめとなっています。
現時点(2022年8月現在)においても、コロナ禍以前と比べてもまだまだ品薄状態と言えるでしょう。
そもそも在庫数が少ない業者の場合、給湯器の入手先の協力業者が少ないため、待っても希望の機種が手に入らないというケースもあります。
給湯器の故障は、特に冬時期に多く見られます。交換を依頼する人が一気に増えますので、在庫に対しての需要が増える状況となってしまいます。
壊れてから交換を検討しても、すぐには手配できないという可能性が高いです。
そのため、「10年以上同じ給湯器を使い続けている」「最近、エラーコードがよく表示される」「変な音がする」などの場合、早めに業者に相談しておくと安心でしょう。
4.まとめ
今回はエラーコード632についてお伝えしました。
このエラーコードは比較的よく見られるエラーですから、原因や対処法を覚えておきましょう。
お湯の残量不足ならお湯を足せばすぐに解決ができますし、循環アダプターの汚れもよくあるエラー原因です。
循環アダプターまでは洗っていないという場合は、エラーコードが起きたときアダプターを外して洗ってみましょう。
特に、入浴剤を使っている家庭は汚れやすいので、日頃から丁寧なお手入れを心がけてくださいね。
また、自分で対処をしてもエラーを繰り返すというケースもあります。このような場合は、専門業者に相談しましょう。
給湯器の故障は、何の前触れもなく、突然起こることがあります。突然の異音や異臭、急に起こるととても不安です。
現在、在庫が不足していて、交換までに時間がかかるケースもございます。特に古い給湯器を使用している場合は、早めに交換をご検討ください。