給湯器から異臭がする! これって故障? どうしたらいい?
給湯器から異臭が発生する要因はさまざまありますが、異臭を放置すると大きな事故に繋がる可能性がありますので、早急に対処しなければいけません。
本記事では、給湯器から異臭が発生した際の対処法と、異臭が発生する種類と原因について解説します。
目次
1.給湯器から異臭がする場合の共通する対処法
給湯器から異臭がした場合には、自身やご家族の安全を確保するためにも、これからご説明する手順に従って対処してください。
(1)給湯器の使用をストップする
ガス機器のトラブルで、最も注意しなければいけないのは「ガス漏れ」です。
漏れたガスが火気に触れてしまうと、引火爆発や火災が発生する恐れがあります。
給湯器からの異臭の原因はガス漏れの可能性もあるため、異臭を察知しましたらすぐに給湯器の使用をストップし、火を使用するほかの機器等についても絶対に使わないでください。
(2)元栓を閉める
異臭は給湯器以外の場所から発生する可能性も考えられますので、給湯器の使用を停止するだけでなく、ガスの元栓も閉めてください。
ガスの元栓の場所は、基本的にガス機器の近くにあります。
事前に場所を確認しておくと緊急時に素早く対処できますので、元栓がどこにあるのか把握しておくことが大切です。
また、使用しているガス機器の種類によっては、元栓が屋外の場合もあるので要注意です。
屋外の場合には、給湯器設備やガスメーター付近に元栓がありますので、異臭を感じましたらすぐに閉止してください。
(3)換気を行う
ガス機器の使用を停止し元栓を閉めれば、ガス漏れの心配はなくなります。
ただ異臭を感じた時点でガスが漏れている可能性は残っていますので、換気を行って滞留しているガスを外に逃がす必要があります。
効率よく換気をするためには、2か所以上の窓を開け、風の通り道を作るのがコツです。
ガスには種類によって重い・軽いがあり、都市ガスで使用しているガス(主にメタンガス)は空気よりも軽い性質、プロパンガス(LPガス)は空気よりも重い性質があります。
空気よりも軽いガスについては、ガスが拡散しやすいため、できるだけ上部の窓を開けることでガスを外へ逃がしやすくなります。
プロパンガスは空気よりも重く滞留しやすいため、下部の窓を開けると滞留しているガスが流れていきますので、使用しているガスの種類に応じた換気をするのがポイントです。
換気を行う際の注意事項として、扇風機や換気扇などを使用しての換気は厳禁です。
セルフガソリンスタンドで給油する場合、必ず静電気除去シートに触ってからガソリンを入れると思いますが、これは静電気がガソリンに引火し、火災が発生することを防ぐためです。
扇風機や換気扇は直接火を使うことはありませんが、電源を入れた際に発生する静電気がガスに引火する可能性があります。
換気をする際は窓を開けるなど、必ず手動で行いましょう。
また、給湯器が不完全燃焼を起こしている場合、一酸化炭素が発生していることが考えられます。
一酸化炭素が蔓延すると一酸化炭素中毒により、頭痛、めまい、吐き気などの症状が出てきますので大変危険です。
症状が出てから換気するのは間に合わない可能性もあるので、異臭を感じたらすぐに換気することが大切です。
(4)業者に点検・修理を依頼
ガスのトラブルは大事故に繋がる可能性があるため、「大丈夫だろう」と軽く考えず、念のためガス業者に連絡をしましょう。
ガスは無色なので原因を突き止めるのが難しく、どの場所から異臭やガス漏れが発生しているのかわかりません。
原因の解明には専門知識が必要ですし、原因が判明した場合でも、ガス機器の修理・交換は業者でないと行えません。
そのため、ご自身で行えるガス漏れの対処(ガス機器の使用停止、元栓の閉止、換気作業)が完了したら業者に連絡し、その後の作業は専門業者に任せましょう。
2.どんなニオイがする? ニオイ別の原因と対処法
給湯器から異臭が発生した場合、原因によって異臭の種類が違います。
ガス漏れ以外に給湯器からニオイがすることもありますので、異臭の種類と発生する要因をご紹介します。
(1)ニンニクやタマネギのようなニオイ(ガス臭い)
都市ガスとプロパンガスで使用されているガスは、実はどちらも無臭です。
ガス漏れの際に感じる異臭は、都市ガスやプロパンガスを使用しているときにガスが漏れていることに気づくよう、人工的にニオイが付けられています。
ニンニクやタマネギのような不快なニオイを感じましたら、ガス漏れや不完全燃焼の可能性があります。
ガス漏れはガス機器を使用する際、最も気を付けるべきトラブルですので、ガスのニオイを感じたら給湯器の使用をすぐに中止し、元栓の閉止・換気作業を行ってから業者に連絡しましょう。
(2)焦げ臭い
給湯器から焦げ臭いニオイがする場合は、内部に入り込んだホコリなどが燃えていたり、不完全燃焼が起っている可能性が想定されます。
内部のホコリが燃えれば火災の原因に繋がりますし、部品が破損することで別のトラブルを引き起こすこともあります。
また不完全燃焼で発生する一酸化炭素は、一酸化炭素中毒の原因となりますし、換気を行わなければ最悪の場合、死に至ることもあるので非常に危険です。
そのため焦げ臭さを感じた場合についても、ガス機器の使用を中止し、元栓の閉止・換気を行った上で業者に連絡してください。
なおご自身で給湯器内部を開け、給湯器を修理するのは危険なのでやめましょう。
(3)酸っぱいニオイ
給湯器から酸っぱいニオイがしている場合は、外装や金属部分が腐食しているのかもしれません。
腐食が進行していれば部品交換が必要になりますし、腐食箇所によってはガス漏れを起こしたり燃焼不良を招いたりしますので、念のため業者に点検依頼をしてください。
また酸っぱいニオイに近いものとして、目がしみるような感覚を覚えるケースもありますが、その症状は一酸化炭素中毒によるものの可能性があります。
そのため少しでも身体に異常を感じましたら、すぐに換気等の必要な措置を講じてください。
(4)生臭い
生臭いニオイの原因としては、給湯器の内部に入り込んだ水が腐敗していることが考えられます。
給湯器内の水は循環していますので、毎日給湯器を使用しているご家庭であれば、水の腐敗は基本的に起こりません。
ただ給湯器を使用した後、内部に多少の水は残ってしまうため、給湯器を使用していない期間が長いと、残った水が腐敗してしまうこともあるので注意が必要です。
給湯器内部の水は、水抜き栓で対処できることもありますので、長期出張などで給湯器をしばらく使用しなくなる場合は、あらかじめ内部の水を抜いておきましょう。
また、給湯器内部に小さな動物や昆虫が入り込み、その死骸が原因で生臭いニオイがすることもあります。
水は清潔でないと人体にも影響が出てきますので、外から死骸等を取り除く場合以外は業者に依頼することをオススメします。
3.まとめ
ガスはもともと無臭であり、ガス漏れの危険を知らせるために人工的なニオイを付けています。
給湯器からの異臭がすべてガス漏れとは限りませんが、何かしらの故障やトラブルが発生している可能性は高くなります。
異臭を感じたら、「ガス機器の使用停止」「ガスの元栓の閉止」「換気作業」はワンセットとして行いましょう。
ガス漏れは大変危険です。もし給湯器から異臭がする場合は、自分で修理しようとせず、専門業者に修理・点検を依頼しましょう。