エラーコード968が表示された！ハイブリッド給湯器に多いエラーコード

ハイブリッド給湯器は、電気とガスの特徴を活かしてお湯を沸かしたり、暖房を付けたりすることができる給湯器です。
ただ、エラーコード968のような、ハイブリッド給湯器ならではのエラーコードが表示される点には注意が必要です。

ここでは、エラーコード968の対処法と、ハイブリッド給湯器に多いエラーコードについてご紹介します。

1．エラーコード968が出るのはどうして？

ハイブリッド給湯器は、電気とガスを組み合わせてお湯を沸かすのが特徴です。
エラーコード968は、ハイブリッド給湯器の構造上、発生する可能性のあるエラーです。

（1）エラーコード968はどんなエラー？

エラーコードは給湯器の異常を番号ごとに分類して知らせるものなので、エラーコードが表示されたら内容に応じて必要な処置を講じなければなりません。

エラーコード968は、給湯回路の自動試運転が終了できない場合に表示され、原因としては次の2つが考えられます。

給湯回路の不具合
タンクユニットとヒートポンプユニットのあいだ部分の問題

ハイブリッド給湯器は、電気とガスを組み合わせて使用する関係上、給湯回路が一般的な給湯器よりも複雑です。
お湯を沸かす回路のいずれかの部分に不具合が生じた場合、お湯を上手く沸かすことができず、自動試運転が終了しないことがあります。

また、ハイブリッド給湯器はタンクユニットとヒートポンプユニットが繋がっていますが、ユニットを繋ぐ配管が逆に接続されている場合や、配管に詰りや凍結が発生している場合には給湯器が正常に作動しません。

（2）ハイブリッド給湯システムで起きやすいトラブル

ガス給湯器はガスに関するトラブル、電気給湯器は電気に関するトラブルが発生しますが、ハイブリッド給湯器は電気・ガスの両方の給湯システムを採用しているため、電気・ガス両方のトラブルが起こる可能性があります。

ハイブリッド給湯器では、一般にエコキュートと呼ばれる電気給湯器の節電タイプで採用している、ヒートポンプユニットを搭載しています。
ヒートポンプユニットでは、空気中から集めた熱を高温化し、その熱で水を温めお湯にします。
温めたお湯は、貯湯ユニットに貯めることができるため、お湯を使用するたびに沸かす必要がなく、給湯にかかる電気代のコストを削減できるのが魅力です。

ハイブリッド給湯器は電気とガス両方の給湯システムを効率よく利用するため、貯湯タンクのお湯が不足した場合やお風呂の追い焚きをする際は、熱源機のガスによりお湯を沸かすことができ、逆に停電したときはガスのみで運転させることもできます。
また応急運転時は貯湯タンクのお湯を電気のみで温めることができるため、通常時だけでなく、緊急時にお湯を利用できるのもハイブリッド給湯器の強みです。

一方で、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットがそれぞれで独立している仕様上、ユニットのどちらかにトラブルが起これば給湯器は使えなくなりますし、接続部分の不具合が発生する可能性もあります。

エコキュート部分（電気給湯部分）でよくあるトラブル

エコキュート部分でよくあるトラブルが、「ヒートポンプの水漏れ」です。
給湯器には寿命があるため、部品の劣化が原因で水漏れすることや、凍結により配管が損傷し、水漏れが発生することもあります。

また給湯器のメンテナンスを行わないと、ちょっとした不具合が積み重なり、故障に発展するケースも少なくありません。

エコジョーズ部分（ガス給湯部分）でよくあるトラブル

エコジョーズ部分でよくあるトラブルは、ガスでお湯を沸かす際に発生する酸性の水を中和するための「中和器」や、排水のための「配管」が原因になるケースです。
中和器はエコジョーズに搭載されている部品で、ドレン水（凝縮水）はエコジョーズを利用する際に発生する酸性の水です。
ドレン水は中和器で中和してから排水するので、環境面で問題になることはありません。

ただ、中和器が破損したりドレン配管にゴミや異物が入ったりすると、ドレン水を中和することができないため、表示されているエラーコードの種類に応じた処置が必要になります。

なお、エコジョーズのトラブルが発生した際の対処法は、下記の記事を参照してください。

▶どうする？エコジョーズによくある雨による不具合｜エラーコード290・721・723

2．エラーコード968が出た場合の対処法

エラーコード968が表示された際は、次の手順に従って作業してください。

（1）給湯器のリセットを試してみる

エラーコードは、給湯器が故障していなくても表示されることがありますので、最初にリセットを試していただき、エラーが解消されるか確認してください。

給湯器のリセットとは、電源を1度オフにして再運転させることをいい、リモコンがある給湯器であれば運転スイッチでリセットが行えます。
電源プラグを抜きさししてリセットする方法もありますが、雨が降っている日や濡れた手で作業をすると感電する恐れがありますので、試す際は天候の良い日に乾いた手で行ってください。

（2）配管に詰まりや凍結がないか確認

リセットでエラーコードが解消されない場合は、タンクユニットとヒートポンプユニット間の配管に詰まりや凍結がないか確認しましょう。
室外機は、雨ざらしの場所に設置して使用することを想定して丈夫に作られていますが、室内で使用している機器よりも消耗するスピードは早く、ヒートポンプ配管が先に劣化してしまうことがあります。

また、水道水にはわずかながら不純物が含まれており、不純物が数年単位で蓄積すると配管に詰まりが発生し、故障の原因となるケースも珍しくありません。
フィルターに付いた不純物を定期的に取り除くことにより、詰まりを防ぐこともできますが、利用者の方が行えるメンテナンスには限界があります。
長年使用している給湯器は、専門業者に依頼してリフレッシュさせることも選択肢のひとつです。

冬場に気を付けたいのが、凍結による配管の損傷です。
水は液体から固体になると「凍結膨張」により、体積が大きくなります。
配管に水が残っていた場合、凍結により水が膨張し、配管にヒビや亀裂が入ってしまうことがあります。
水が凍結する温度は氷点下4度が目安ですので、寒冷地にお住まいの方は冬場の気温を毎日確認するようにしましょう。

また、給湯器が凍結しているかどうかは、お湯の出てくる量でチェックすることもできます。
完全に凍結していればお湯は出てきません。部分的に凍結している場合には、お湯が出てくる量が少ないので、いつもより水圧が弱いときは凍結している可能性があります。
配管が凍結している状態で無理にお湯を出そうとすると、配管が破損する恐れがありますので、気温の上昇で氷がとけるのを待ってから給湯器の使用を再開しましょう。

（3）業者に修理を依頼

リセットや配管の詰まり、凍結がない状態にもかかわらずエラーコードが消えない場合は、専門業者に給湯器の点検を依頼しましょう。
給湯器を使っている期間が長い場合は部分的に故障していることもありますので、定期点検は大切です。
点検・修理を行えば、給湯器の寿命を延ばすことも可能ですので、不具合が生じた際は早めに対処することを推奨します。