松下(パナソニック)のガス給湯器はもう生産してない? メーカーが違っても交換できる?
松下電器産業株式会社は、現在のパナソニック株式会社の旧社名です。
給湯器などのガス機器の販売は2008年に終了しており、お使いのメーカーが松下電器産業である場合、故障など不具合が起きたらどのように扱われるのか気になる方もいるでしょう。
今回は、生産が終了している給湯器が壊れたときの対処方法や、別の給湯器へ交換するときの注意点、主な給湯器メーカーの特徴についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
1.生産終了している給湯器が壊れたら?
すでに生産してないメーカーの給湯器が壊れてしまった場合はどのようにすればよいか、対処方法についてご紹介します。
(1)ガス給湯器を生産していない会社と相談窓口一覧
現在は給湯器を生産してないメーカーと相談窓口は以下のとおりです。
メーカー名 | 相談窓口 |
松下電器産業 | パナソニックが相談窓口 (補修用部品が供給終了のため修理不可) ▶詳しくはこちら |
三洋電機 | 修理対応はパナソニックが窓口 (2023年9月末日をもって受付終了) ▶詳しくはこちら |
ハーマン | グループ企業であるノーリツが対応 ▶詳しくはこちら |
TOTO | ノーリツコンタクトセンターが受付 ▶詳しくはこちら |
ガスター | ガスターまたはリンナイが受付 (お住まいの地域により異なる) ▶詳しくはこちら |
INAX | リンナイが問い合わせ窓口 ▶詳しくはこちら |
(2)古いガス給湯器は修理ではなく交換が一般的
古いメーカーの給湯器に不具合があるときは、一般的に修理ではなく交換することが多いでしょう。
すでに生産しなくなったメーカーの場合、部品自体も供給終了しており、修理ができない場合もあります。
また、部品があってもの取り寄せまでに時間がかかったり、修理の依頼先が限られていたりしますので、本体交換を検討しましょう。
2.別のメーカーの給湯器に交換できる?
給湯器は別のメーカーに交換することが可能ですが、その理由や注意点などをご紹介します。
(1)共通規格のためメーカーが違っても交換可能
基本的には別のメーカーの給湯器への交換が可能です。ただし、一定の基準について事前に確認する必要があります。
ガスの種類が違ったり給湯の仕組みが違ったりする場合は、そのままでは交換できないこともあります。
給湯器のメーカーを変更する場合は、まず見積もり時に業者に伝えて、交換可能か確認しましょう。
実際にどのメーカーだと適応できるのか、お客様がご自身で判断するのは難しいため、見積もりを依頼する際に、設置できる給湯器を確認するとよいでしょう。
(2)交換に注意が必要なケース
別のメーカーの給湯器に交換する際、特に注意が必要なケースをご紹介します。
① マンションのPS(パイプスペース)に設置する場合
PS設置といって、専用の枠にはめ込むタイプの給湯器の場合は、そのスペースに対応できるものであることが前提になります。
枠は主にメーカーごとに種類分けされていることが多く、別のメーカーに交換する際には枠そのものも交換する可能性がありますので注意しましょう。
PS型給湯器を枠ごと交換する場合の費用は、給湯器の容量や機能にもよりますが、おおよそ20万円~が目安となるでしょう。
マンションのPS設置タイプには、次の3つの種類があります。
PS標準設置型(標準タイプ・スリムタイプ)
パイプスペース(パイプシャフト)内に設置されているタイプで、標準タイプとスリムタイプがあります。
機器を覆う扉はなく本体が露出しています。また、横長の形をした排気口は前方を向いています。
標準設置型は、一般的な壁掛けの給湯器と交換可能です。
PS扉内設置型(前方排気タイプ・後方排気タイプ・上方排気タイプ)
パイプスペース(パイプシャフト)内に設置されているタイプで、扉を閉めている状態では給湯器本体が見えません。
前方排気タイプには標準タイプとスリムタイプの2種類があります。
また、排気口は前方にあります。後方排気、上方排気タイプは正面には排気口が出てこないため、直接は見えない構造です。
アルコーブ設置型
アルコーブ設置型は、マンションなどで玄関近くのくぼみなどに設置されているタイプです。
給湯器本体は露出しており、排気口は通路などに向かっています。
PS設置タイプの部材について費用相場は次のとおりです。
なお、設置状況や設置するメーカーにより部材の価格は異なります。あくまで目安としてご覧ください。
部材名および工事内容 | 費用の目安 |
PSアダプター | 4,300円~ |
配管カバー | 3,400円~ |
設置台 | 7,500円~ |
排気カバー | 3,100円~ |
ドレン排水工事 | 36,000円~ |
※エコジョーズへの変更はドレン排水工事が必要です。
※ご希望の給湯器によっては交換できない場合がありますので、事前にご相談ください。
※メーカーによっては部材の入荷に1ヵ月ほどお時間をいただく場合があります。
② 配管の延長工事が必要な場合
配管の位置にも気をつけなければなりません。
配管はメーカーによって異なることが多いため、交換する際に配管の長さ調整が必要になる可能性があります。
配管延長工事等を行う場合の費用相場は次のとおりです。
工事名 | 工事内容 | 費用の目安 |
配管延長工事 | 風呂と給湯、給水を繋ぐ工事 | 1,000円~2,000円/1m毎 |
配線延長工事 | エコキュートなどから配線を延長する工事 | 1,000円~2,000円/1m毎 |
新規風呂配管工事 | 風呂とエコキュートなどの配管を新たに設置する工事 | 12,000円~28,000円/5mまで(往復) |
風呂アダプター工事 | 給湯専用の機器の場合で、浴槽、壁などに循環口を設置する工事 | 6,000円~15,000円(交換と穴あけで異なる) |
(3)リンナイとノーリツ|給湯器の主な特徴と違い
ここからは、国内の給湯器の2大メーカーであるリンナイとノーリツについて、特徴や2つのメーカーの違いについてご紹介していきます。
① リンナイ
国内ではわずかながら、ノーリツよりもシェアが上回っているメーカーです。
リンナイの特徴のひとつとして「故障の少なさ」があります。寿命まで安定して運転できるのがポイントです。
熱効率が高く、従来よりも約15%の効率アップが図られ、家族の人数によってさまざまなサイズをそろえるなどバリエーションが多いのも特徴のひとつとしていえます。
最近の機種には、ウルトラファインバブルのお湯に対応したものもあります。
ウルトラファインバブルとは、直径1マイクロメートル未満の微細な泡が隙間に入り込み、汚れを落とす作用があるものです。
汚れの原因菌が減少し、清潔な水回りの維持に効果が期待できます。一般的には汚れやすい配管内部も清潔に保つことができます。
② ノーリツ
ノーリツは、熱効率が高いとされています。
また、エコ・ファースト制度の認定を受けており、環境に配慮した会社であることが認められています。
給湯機器は、内部塗装が施されていることからサビに強く、長持ちに貢献するため交換の頻度が少なく済みます。
品質に定評があり、故障も少ないのが特徴です。
ノーリツには、浴槽のお湯を自動センサーが検知して除菌してくれる機能があります。
誰も入っていないときにUV除菌して、次の人が除菌後のお風呂に入ることができます。
除菌してくれるため、残り湯での洗濯も安心ですし、部屋干しなどのニオイの発生を抑える効果が期待できます。
3.まとめ
今回は、古いメーカーのガス給湯器を使っている場合、故障の窓口があるか、また、主要な給湯器メーカーの特徴などをご紹介しました。
一般的にはメーカーを変えることは可能ですが、集合住宅などで枠がついた給湯器の場合は、きちんと据え付けられるのか、業者への確認が必要です。
給湯器を選ぶときは、使いたい機能があるか、どんな特徴があるかなどを把握し、ライフスタイルに合う給湯器を検討してみましょう。