エラーコード290が表示された原因とは! 不具合の確認方法と直し方
エラーコード290が表示されたとしても、自分でエラーを解消できるケースもあります。
ただエラーコード290が表示される原因はいくつもあり、原因ごとの対処法を知らないとエラーは直りませんし、給湯器の状態によっては専門業者に修理を依頼しなければなりません。
こちらの記事では、エラーコード290が表示される原因と対処法について解説します。
目次
1.給湯器でエラーコード290が出た! 原因は?
給湯器のエラーコード290は、中和器の異常を示すものです。
中和器に異常が起る原因は3つありますので、それぞれの現象をご紹介します。
(1)中和器の故障
中和器が故障する原因のひとつは、機器の寿命です。
一般的に中和器の耐用年数は10年程度とされており、10年以上使用している給湯器にエラーコード290が表示された場合、中和器が寿命を迎えていることが考えられます。
給湯器を使用する際に発生するドレン水の水質は酸性であることから、ドレン水をそのまま排水することはできません。
中和器には酸性のドレン水を中性する機能がありますので、ドレン水が発生したとしても中和器を経由することにより、安全に排水を行えるようになっています。
一方、中和器の故障により正常に動かない場合、酸性の水がそのまま流れてしまう危険がありますので、給湯器はエラーコード290を表示させることで使用者に異常が発生していることを知らせます。
中和器の寿命を知らせる表示としてはエラーコード920もありますが、寿命により中和器が故障した場合であったとしても、エラーコード290が表示されるケースも想定されますので、中和器の交換や給湯器の買い換えを検討してください。
(2)配管詰まり
一時的なトラブルが原因により、エラーコード290が表示されるケースとしては、配管詰まりがあります。
ゴミなどの異物が配管に詰まってしまった場合、ドレン水を正常に排水することができなくなるため、エラーコード290を表示して使用者に異常を知らせます。
配管詰まりは、大雨等により外部からゴミが入ってしまうケースや、中和器の汚れが配管内に蓄積されていることが原因で起こることが多いです。
給湯器を長期間使用していると内部にカビ等が発生し、それが原因で配管が詰まってしまうこともあるのでご注意ください。
(3)凍結
配管が詰まってしまう原因は、異物が入るケースだけではありません。
寒冷地や冬場に氷点下になる地域で起こりやすいのが、凍結によるエラーコード290の表示です。
給湯器を使用した際に残った水が配管に溜まり、気温の低下で氷へと変化し、排水を妨げることがあります。
エラーコード290を解消するためには、配管内の氷を解凍しなければなりませんが、給湯器を使用して無理に氷を押し流そうとすると、配管が破損する可能性があるので大変危険です。
そのため冬場にエラーコード290が表示されましたら、凍結が要因であることが考えられます。
2.エラーコード290はメーカー共通?
給湯器のエラーコードの前半2桁は「エラーの内容」、最後1桁は「エラーが発生した場所」を表しています。
同じ機器でも、メーカーが異なれば使用方法等が違うことも珍しくありませんが、給湯器のエラーコードについてはメーカー間で統一されています。
エラーコード290が表示された場合、メーカーの種類に関係なく中和器の異常を示していますので、同じ方法で対処することが可能です。
頻繁にエラーコードを見る機会はありませんが、表示されるエラーコードの内容を少しイメージできるだけでも不安が和らいだり、解決する手段を取ったりすることができます。
3.エラーコード290の対処法は? 自分で直せる?
エラーコード290は、自分で解決できるケースも多いので、次に紹介する方法を順番に試して、エラーコードの表示が解消されるか確認してみましょう。
(1)給湯器の電源をオフにしてリセットする
エラーコード290が表示された際、最初に試していただきたいのが給湯器のリセットです。
給湯器のリセットは、電源をオフにし、再度オンにするだけなので非常に簡単です。
エラーコードの表示が一時的なものであれば、リセットするだけでエラーコードの表示は解消されますので、ほかの解決方法を試す前に給湯器をリセットしてください。
(2)凍結している場合には解凍作業を行う
冬場にエラーコード290が表示された場合、配管が凍結している可能性もあります。
その場合は凍結箇所を温めて氷を解凍すればエラーは解消されます。
外気の温度が上がれば氷はとけるので、すぐに給湯器を使用する予定がなければ自然解凍を待つのも選択肢のひとつです。
急いで解凍したい場合には、凍結している配管にタオルを巻き、その上からお湯をかけて凍結している配管周辺の温度を上げます。
ただし、高温のお湯を配管にかけると急激な温度変化で配管を破損する可能性があるので、お湯をかける場合はぬるま湯にするか、ドライヤーなどで温風を当ててゆっくり解凍しましょう。
(3)雨天の際は混入しているゴミを取り除く
大雨で雨水が排水口に入った場合、水位が上昇するなどしてエラーコードが表示されることがあります。
雨水だけであれば一時的なエラーのため、時間の経過により解消される可能性が高いですが、雨と一緒に異物が入ってしまった場合は異物を取り除く必要があります。
異物が目に見える場所にあれば、自分で異物を除去し、エラーコード表示が解消されるか確認しましょう。
(4)エラーコードが消えない場合は専門業者に依頼を
上記の方法を試してもエラーコードが消えない場合は、給湯器の故障や自分で取り除くことができない場所に異物が入っている可能性があります。
一時的な不具合以外は、時間を置いてもエラーコードの表示は消えないため、専門業者に依頼し、修理や交換等を行う必要があります。
給湯器を使用できないのは生活上とても不便なため、専門業者を選ぶ際は料金だけでなく、すぐ来てくれる業者や、修理・交換時に代替の給湯器を提供してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。
4.修理・交換する場合の費用相場
エラーコード290による修理・交換は、修理する場所等によって費用の額が変わってきます。
交換よりも修理の方が費用を抑えられることが多いため、使用年数が短い給湯器であれば修理するのも選択肢です。
使用年数が長い給湯器であれば中和器を交換することになりますが、中和器だけを新品に交換したとしても、短い期間でほかの部品等が破損し、故障が再発する可能性が高くなります。
そのため給湯器の状態によっては部品交換ではなく、給湯器を買い替えることも視野に入れる必要があります。
<給湯器の修理・交換費用の相場>
修理箇所・内容 | 費用の目安 |
配管・水漏れ修理交換 | 8,000円~15,000円 |
水栓金具等の補修・交換 | 12,000円~20,000円 |
水制御装置の修理 | 10,000円~35,000円 |
電気系統の修理 | 5,000円~45,000円 |
中和器の修理(リンナイのメーカー対応) | 11,000円~16,500円 |
中和器の修理(ノーリツのメーカー対応) | 15,500円~50,000円 |
5.まとめ
エラーコードは使用者に異常を知らせるだけでなく、安全装置としての役割もありますので、エラーコードが表示されたとしても給湯器が故障しているとは限りません。
一時的な不具合なら、問題を解消することで再び使用できるようになりますが、原因がわからない場合や故障しているときは、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
専門業者を選ぶときは、料金だけでなく、すぐ来てくれる業者や、修理・交換時にかわりの給湯器を提供してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。