台風や大雨でお湯が出ない、雨のたび点火しづらい! 給湯器の台風対策
台風や大雨が発生するとガス給湯器が作動しなくなったり、点火しづらくなったりするケースがあります。
お湯が使えないのは生活する上でとても不便ですので、できる限り早急な対処が必要です。
この記事では、台風や大雨でガス給湯器にトラブルが起こる原因と対処法、ガス給湯器交換の費用相場から火災保険利用の注意点までくわしくご紹介します。
目次
1.台風や大雨でお湯が出ないのはどうして? 対処法は?
台風や大雨が発生するとガス給湯器が作動しなくなり、突然お湯が出なくなったり、雨が降るだけで点火しづらくなったりするケースがあります。
まずはその原因について解説していきます。
(1)台風や大雨でお湯が出ない場合
風雨が強くなると、ガス給湯器は給湯器内部での漏電を回避するために、自動的に安全装置が作動します。
安全装置が作動するとガス給湯器は運転停止となりますので、台風や大雨の影響が無くなるまでは安全のためそのまま待機しましょう。
基本的に給湯器は、雨が降っても排気口から給湯器内部に雨水が浸入できない構造になっていますが、ゲリラ豪雨などの想定以上の大雨の場合は内部に雨が侵入してしまうことがあります。
内部に雨が侵入した可能性がある場合、大雨が止んで自然乾燥するのを待ってからリセットを行うと使える場合があります。
(2)雨のたびに点火しづらい場合
大雨でなくても、雨が降るたびにガス給湯器が点火しづらい原因はいくつか考えられます。
湿気が多くなると漏電を防ぐために出力を抑える仕組みを備えている機種がありますし、湿気によって配線の通電不良が起こっているかもしれません。
フロントカバーのネジが緩んで、雨水が入り込みやすい状態になっていることも考えられます。
また、ガス給湯器の耐用年数はおよそ10年ですので、経年劣化による配線の腐食や電気系統の不具合が雨の影響でより点火不良になりやすくなっている可能性もあります。
使用して10年前後の場合は新しい製品との交換を検討することをおすすめします。
2.台風や大雨でお湯が出ない場合の対処法
続いて、台風や大雨でガス給湯器が作動しなくなってしまった場合の対処法についてご紹介します。
(1)天候の回復を待って、しばらくしてからリセット
ガス給湯器が故障したわけではなく、一時的に運転を停止している可能性があります。
まずは天候が回復するまで、お湯を使うことは我慢しましょう。
給湯器内が乾くと問題なく使える場合は、リモコンの電源をリセットするだけでも運転開始できます。
リモコンのリセット方法は、リモコンの電源を一旦オフにして再度オンにしてください。
リモコンの電源リセットでは回復しないのであれば、給湯器の電源プラグを抜きさししてリセットしてください。
雨の中、屋外の電源プラグに触れるのは危険ですので必ず雨が止んでからにしましょう。
なお、ガスメーターが赤く点滅している場合、ガスの供給が停止していますので、ガス給湯器をいくらリセットしても回復しません。
ガス栓が閉まっている場合は、ガス栓を開いて再度リセットをしてみましょう。
また、台風や大雨が過ぎた後は、排気口部分にゴミが溜まっていることがあります。
不完全燃焼の原因になってしまいますので、詰まっているゴミは撤去しましょう。
リセットでもガス給湯器が作動しない場合は、故障の可能性が高いため、給湯器の専門業者に連絡して修理や交換を依頼しましょう。
(2)リモコンのエラーコードが点滅している場合
台風や大雨によってリモコンにエラーコードが表示されていて、ガス給湯器が作動しない場合があります。
メーカー共通のエラーコード「111」は給湯器側の点火不良、「112」は追い焚き側の点火不良です。
メーカーによっては「E-06」や「06」と表示されるケースもあります。
安全装置が作動して点火できなくなっている可能性が高いですから、自然乾燥を待ってから排気口のゴミを取り除き、リモコンの電源をオフ→オンというリセットをして、エラーコードが解除されるか確認してみましょう。
リモコンのリセットでダメなら電源プラグの抜きさしです。
それでもエラーコードが表示され続け、ガス給湯器が作動しない場合は、点検や修理を依頼する必要があります。
3.台風直撃が予想されるときにやるべきこと
ガス給湯器のダメージを最低限に抑えるためには、台風が直撃する前にできる限りの準備をしておくことが大切です。
(1)給湯器の運転を停止する
ガス給湯器の故障のリスクを軽減するために、まずは事前にガス給湯器の運転を停止しましょう。
お湯が使えなくなるのは不便ですが、一時の我慢です。
荒天で無理に使用した場合、故障してしまうリスクがあります。
故障すると修理や交換に費用がかかるだけでなく、台風が過ぎ去った後もしばらくお湯が使えなくなってしまいますので、それだけは回避しましょう。
(2)給湯器の電源プラグを抜く
運転再開のためのリセットの際に電源プラグを抜きさしする必要がありますので、台風が来る前に抜いておきましょう。
雨が降り出してから電源プラグに触れると感電する危険性がありますので、天候が悪化する前に抜いておくようにしてください。
(3)排気口をふさぎそうなものは取り除いておく
台風や大雨によって排気口近くに置いてあるものが動いて排気口をふさいでしまうことがあります。
点火不良の原因になりますから、事前に邪魔になりそうな物は排気口から遠ざけておくことも重要です。
排気口に雨が侵入しないよう雨囲いは必要?
大雨などに備えて排気口を雨囲いした方がいいのか悩まれているのであれば、特にその必要はありません。
基本的に現在日本国内で販売されている給湯器であれば、風雨に直接当たり続けても10年は耐えられる耐久性は持っているからです。
逆に雨囲いをした場合、開口部を広く取らずにいると、排気が十分行われなくなり、点火不良や故障リスクが高まります。
明らかに雨の日に点火不良が目立つ場合は、フロントカバーのパッキンの劣化や、ガス給湯器自体が経年劣化している可能性があります。
古い給湯器で雨の降り込みがはっきりしている場合、雨囲いを設置するよりも劣化部品の交換・修理や、給湯器本体を新しいものと交換した方がコストパフォーマンスは高いでしょう。
4.給湯器交換の費用相場
台風や大雨でガス給湯器が故障してしまい新しい製品に交換する際の費用相場ですが、工事費込みで10万円から15万円です。
費用に差があるのは、号数(容量)や性能(給湯専門・オート・フルオート)などによって異なるからです。
ただし、メーカーの希望小売価格は本体だけでも40万円前後になりますので、割引率の高い給湯器専門業者で購入・設置してもらうのがお得です。
耐用年数を過ぎている場合、あちこちに不具合が生じて修理費が高くなるので、使用して10年を過ぎているのであれば修理よりも新しい製品を購入することをおすすめします。
自然災害による故障であれば火災保険が使える場合も
ガス給湯器の故障に、火災保険が利用できる場合があります。
条件としては、火災保険の適用範囲がどこまでなのかによりますので、保険内容をよく確認しましょう。
自然災害であれば適用されますが、補償対象物が家財になっている場合は適用外です。
ガス給湯器は建物に含まれますので、補償対象物に建物が含まれていなければなりません。
被害箇所の写真や日時、何があったのかはしっかり記録しておき、保険会社の現地調査の際に示せるようにしておきましょう。
経年劣化が原因であると判断された場合は、台風後であっても火災保険の適用にはなりませんので注意が必要です。
5.まとめ
台風や大雨が発生しても慌てずに、できることをやりましょう。
その後でお湯が出なくなってもリセットで復旧する場合がありますので、ご紹介した方法をぜひ試してみてください。
故障の場合は修理または交換になりますので、早急にお湯が使える状態に戻すためにも、日ごろから信頼できる給湯器専門業者を探しておくことは重要です。
台風や大雨で心配なことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。