エコキュートエラー「H54」が出たらどうする?【パナソニック/ダイキン】
給湯器にエラーコードが表示された場合、不具合や故障が発生している可能性があります。
パナソニックやダイキン製のエコキュートを使用している際に表示される「H54」は、部品の交換が必要になることもあります。
今回はエラーコードH54が表示される原因と対処法について解説します。
目次
1.エコキュートエラーコード「H54」の原因
給湯器のエラーコードはメーカー共通のものもあり、パナソニック製とダイキン製のエコキュートについては、三方弁の異常が発生した際に「H54」が表示されます。
(1)三方弁とは
三方弁とは出入口が3方向存在するバルブをいい、各方向にある弁を開閉させることで水の流れを変えたり、お湯と水を混ぜたりして温度調整するのに用いられています。
エコキュートに使用されている三方弁は貯湯タンク内に設置されていて、下層部に貯まっている水を上層部に送り出す役割があります。
(2)三方弁に異常が起こるとどうなる?
エコキュートは、貯湯タンクの下層部の温度で水を沸かすかの判断をしますので、下層部の水がお湯となったまま残り続けると、水を沸かす機能が停止します。
三方弁に異常が起これば下層部の水を上層部に送ることができず、水を沸かせない状態になることから、エラーコードH54が表示されましたら問題を解消するための対処が必要です。
(3)基盤が故障している可能性も
エラーコードH54が表示される原因は三方弁の異常以外に、エコキュートの基盤が故障していることも想定されます。
エコキュートは精密機器なので、部品の一部に不具合が生じると正常に作動しなくなることもあります。
基盤が故障する原因として多いのが、給湯器の経年劣化です。
給湯器の耐用年数は10年ですので、エコキュートを10年以上使用しているご家庭においては、基盤の故障が原因でエラーコードH54が表示されるかもしれません。
(4)「H54」以外で三方弁の異常を知らせるメーカー
パナソニック(旧ナショナル)とダイキン製のエコキュートについては、三方弁異常をエラーコード「H54」で知らせますが、それ以外のメーカーについては「H54」以外のエラーコードが表示されます。
たとえばCORONA(コロナ)のエラーコードは「E39」、三菱製の場合には「P01・P20・P21」が三方弁異常を知らせるエラーコードです。
表示されるエラーコードごとに対処のしかたは変わりますので、リモコン画面にエラーコードが出ましたら、使用しているメーカーのエラーコードを確認しましょう。
2.エラーコードH54の対処法
エコキュートの不具合が一時的なものであれば、エラーコードH54が表示されたとしても必要な対処を行えば再び使用できるようになります。
(1)リード線、コネクタの抜けを確認
エラーコードが表示された際、最初に試していただきたいのがリード線とコネクタが抜けていないかの確認です。
リード線等が繋がっていなければエコキュートは正常に作動しませんので、修理を依頼する前に確認しましょう。
(2)本体リセット
リード線とコネクタが繋がっているかを確認したら、エコキュート本体のリセットを試してみましょう。
エコキュートはリセットすることで、正常に動くようになることもあります。
リセットの方法は最初に漏電遮断器(漏電ブレーカー)をオフにしていただき、数分経過後にオンに入れます。
漏電遮断器は電源をオン・オフするスイッチではありませんので、何度も繰り返すとエコキュートへの負担が大きくなることがあります。
1~2回試してもエラーが解消されない場合は、専門業者に点検依頼をしましょう。
(3)専門業者に修理・交換を依頼
本体をリセットしてもエラーコードが解消されない場合、専門業者に原因を特定してもらう必要があります。
エラーコードH54が表示された原因に応じて、修理・交換をすることになりますが、エコキュートの修理・交換ができる業者はいくつもありますので、依頼する業者選びも大切です。
主な依頼先は次のとおりです。
エコキュートメーカー
エコキュートメーカーは、保証期間内であれば修理・交換を無償でしてくれますので、購入してからの期間が短い場合には、メーカーに依頼するのも選択肢です。
ただし保証期間が過ぎている場合、メーカーに依頼すると費用が割高になることもあるので注意しましょう。
給湯器交換専門業者
給湯器の交換を専門にしている業者は知識が豊富ですし、メーカー問わず点検・修理等を依頼できます。
交換するにあたっては、用途や利用する環境に適応したエコキュート(給湯器)を提案してくれますし、設置工事が完了するまでの期間が短いのも魅力ですが、業者によって技量の差が大きいため業者選びの重要度が高いです。
ホームセンターや大型電気店
ホームセンターや大型電気店は、どの地域にもありますので、急にエコキュートが動かなくなった際に依頼しやすいのがメリットです。
ただ修理・交換作業は下請け会社が行うことになるため、下請け会社の技量不足が原因でトラブルになる可能性はゼロではありませんし、修理・交換を依頼する時点で作業する業者がわかりにくいのが難点です。
工務店やリフォーム会社
リフォーム工事をする場合、工務店(リフォーム会社)に依頼すると工事と一緒に給湯器の交換もしてくれますので、別途で給湯器の交換を依頼する手間を省略できます。
一方で、給湯器のみの交換であれば、工務店に依頼する積極的なメリットは少ないです。
3.エラーコードH54|給湯器の修理・交換費用
エラーコードH54の表示が解消されず、専門業者に修理・交換を依頼する際の費用は、故障した部分によって変わってきます。
(1)エラーコードの保証期間を確認
エコキュートの修理を依頼する際は、業者に連絡する前に本体の保証期間を確認しましょう。
保証期間内であれば修理費用がかからない場合や、費用負担が一部に収まることもあります。
エコキュートを購入した際、保証期間の延長サポート等に加入していることも多々あるので必ずチェックしましょう。
(2)修理の費用相場
エラーコードH54が表示された場合、故障の原因が三方弁の異常と基盤交換のどちらに該当するかによって修理費用は変わってきます。
三方弁交換の場合
故障の原因が三方弁異常のときは、三方弁を取り換える必要がありますので、修理費込みで2万円から4万円程度の費用がかかります。
利用者が三方弁を交換することもできなくはありませんが、交換作業は大変です。
また素人が交換作業する場合には、ほかのトラブルを引き起こす可能性もありますので、専門業者に依頼することをおすすめします。
基板交換の場合
基板交換をする際は、4万円から5万円程度の費用がかかります。
長年使用しているエコキュートの場合、三方弁と基盤の両方を交換しなければならないケースもありますので、その際の費用は6万円前後が相場となっています。
(3)本体交換の費用相場
エコキュート本体を交換する場合には、本体費用と設置費用がかかります。
設置費用は一般的な工事費(搬入から撤去まで)は5万円から10万円程度で、新規で購入するときよりも費用をおさえることができます。
エコキュートの主なメーカーである、パナソニック・三菱・ダイキンの本体価格は下記のとおりです。
パナソニック
種類 | 本体価格相場 |
HE-NS37KQS(370L) | 220,000円~ |
HE-NS46KQS(370L) | 250,000円~ |
HE-F37KQS(370L) | 340,000円~ |
HE-NS46LQS(460L) | 960,000円~ |
三菱
種類 | 本体価格相場 |
SRT-W465(460L) | 200,000円~ |
SRT-W376(370L) | 210,000円~ |
SRT-S466U(460L) | 270,000円~ |
SRT-N376(370L) | 190,000円~ |
ダイキン
種類 | 本体価格相場 |
EQ37WFV(370L) | 220,000円~ |
EQ37XFV(370L) | 240,000円~ |
EQ46WFV(460L) | 240,000円~ |
EQX46XFV(460L) | 330,000円~ |
4.まとめ
エコキュートで表示されるエラーコードH54は、スイッチのオン・オフだけで解消することもありますが、長年使用しているエコキュートについては、経年劣化により三方弁や基盤の交換が必要になることも考えられます。
修理・交換は、保証期間内であればメーカーが無償対応してくれることもありますので、連絡前に保証期間を確認しましょう。
保証期間を過ぎている場合には、メーカーに依頼すると費用が割高になってしまいますので、給湯器の交換を専門にしている業者に修理・交換の依頼をするのがおすすめです。