急にシャワーのお湯が水になるのは故障? 直し方や修理費用相場
シャワーでお湯を使っているときに、水が急に出てきたらビックリしますよね。
ご年配の方だと、これだけでも体調に影響を及ぼしてしまう危険性があります。
なぜシャワーから出るお湯が急に水になってしまうのか、この記事を読むとその原因や対処法、どこに依頼すべきかがわかります。
目次
1.急にシャワーのお湯が水になる原因は?
ガス給湯器では、シャワーのお湯が水に急に変わる原因がいくつか考えられます。
まずはその原因について解説していきます。
(1)冷水サンドイッチ現象
シャワーを使っている際に、途中でいったん止めて再度シャワーを出したとき、最初はお湯が出ても途中で冷たい水になり、再度まただんだん適温に戻っていくことがあります。
これは「冷水サンドイッチ現象」と呼ばれ、給湯器の仕組み上起こってしまう現象です。
シャワーを使っていて一度止めた際、シャワーヘッド付近にお湯が残ります。
この状態で再度お湯を出すと、シャワーヘッド付近のお湯はあたたかいままですが、熱交換器のバーナーが燃焼を始めるまでに通り抜けてしまった「お湯になりきれなかった水」が間に入りますので、お湯→水→お湯というサンドイッチ状態になるのです。
これはガス給湯器の仕組みの問題なので故障ではありません。
シャワーのお湯をいったん止めた場合、使用を再開する際に直接お湯を体に当てず、しばらくお湯を出して適温になるのを待ってから使用するようにしましょう。
(2)ガス給湯器の故障
しばらく水を出しても適温にならない場合は、給湯器が故障しているのかもしれません。
リモコンにエラーコードが表示されていないか確認してみましょう。
給湯器の耐用年数は8年から10年ですので、その期間を過ぎている場合は給湯器内部に不具合が生じている可能性が高いと考えられます。
(3)循環系の不具合
循環系のアダプタ機能に不具合があると温度調整ができなくなり、高温のお湯が出たり突然水が出てきたりします。
お湯に水を混ぜるための給湯混合弁が不具合となっている場合も同様です。
シャワーだけでなく浴槽に湯張りをしてもお湯になっていない場合は、循環系の不具合の可能性が高いでしょう。
(4)連続使用などによるガス停止
ガスを連続的に使用している場合、安全機能が作動してガスの供給が停止されるケースがあります。
この場合は給湯器の故障ではありませんので、ガスメーターを操作することで対処可能です。
連続して使える使用時間はガス給湯器のタイプによりますので、事前に確認しておくと予防できます。
(5)蛇口(混合栓)の不具合
キッチンや洗面所ではお湯が普通に使える場合は、シャワーの蛇口部品や蛇口自体の故障の可能性があります。
サーモスタット式の水栓(サーモスタット混合水栓)は、温度を調節する機能を備えています。
サーモスタットのカートリッジの寿命は5年から10年ですので、水栓の寿命も10年です。
水栓が経年劣化しているのであれば給湯器ではなく、蛇口まわりの修理・交換が必要です。
(6)ガスメーターの故障
ガスメーターは10年を目処にガス会社によって取り替えられます。
経年劣化による故障はなかなか珍しいケースですが、地震などの災害が起きて自動的にガスメーターが停止することがあります。
台風や大雨でも安全装置が作動して停止することはありますので、そういったことがあった後にシャワーを使ってお湯が出ない場合は、ガスメーターの確認が必要になります。
シャワーの温度が安定しない場合は給湯器の寿命かも?
シャワーの温度が安定しないのは給湯器の寿命が近づいているからかもしれません。
温度が安定せず、急に熱くなったり冷たくなったりするのは、給湯器の経年劣化のサインのひとつだからです。
ほかにも、給湯器からピーという異音が聞こえるようになったり、不完全燃焼によって異臭がしたりすると、給湯器の修理・交換の検討が必要になってきます。
給湯器を購入して10年以上経過しているのであれば、経年劣化の可能性が高いと考えましょう。
2.業者へ依頼をする前に|確認するポイントと対処法
給湯器の故障によってお湯が急に水になってしまった場合は、基本的に修理・交換業者に連絡して点検や修理をしてもらうことになります。
ここでは、業者に連絡する際に事前に確認しておくべき点や試しにやってみるべき対処法について解説していきます。
(1)給湯器の電源リセット
自分でできる対処法のひとつに、蛇口を全開にしてみるという方法があります。
少ししか蛇口を開いていないと給湯器のバーナーが燃焼せず、水しか出ないことがあるからです。
また、エラーコードがリモコンに表示されている場合、給湯器の本体を一度リセットすることで元に戻ることがあります。
給湯器の使用をすべて停止してからリモコンの電源をオフにし、再度オンにします。
それでも復旧しない場合、本体の電源プラグを抜いて10秒ほど待ってからさし込むリセット方法を試してみましょう。
(2)ガスメーターの確認
台風や大雨、地震、またはガスの連続使用などによって安全装置が作動し、ガスの供給が停止している場合は、ガスメーターを確認します。
ランプが点滅しているのであれば復旧作業が必要です。
この場合、必ずすべてのガス機器を止めてから作業を始めましょう。
復旧ボタンを押して3分ほど経過して、ガスメーターに問題がなければ点滅が消え、ガスが使用できるようになります。
復旧しない場合はガス会社に連絡しましょう。
(3)給湯器の保証と保証期間を確認
給湯器のメーカー保証は基本1年です。
有料で10年まで保証期間を延ばすことができるメーカーがあるほか、交換業者が独自で保証を付けているケースもあります。
保証期間であれば対象の業者に依頼すると無料で修理可能ですので、修理や交換の際は事前に保証期間は確認しておきましょう。
また、給湯器を購入する際は、アフターサービスが親切で丁寧な業者を選ぶと安心です。
3.どこに頼む? 依頼先ごとのメリット・デメリット
最後に給湯器の修理・交換はどこに依頼するのがいいのか、メリットやデメリットについて解説していきます。
(1)給湯器メーカー
メーカーの保証期間内であれば、メーカーに依頼するのがいいでしょう。
メーカーであれば製品の部品を保存している可能性が高いです。 保証期間内でない場合は、割引率が低いのでほかと比較すると費用が高くなるので注意が必要です。
修理の場合は電装系や安全装置の場合5万円前後と高額ですから、購入して10年以上経過している場合は、修理よりも新しい給湯器に交換することをおすすめします。
(2)管理会社
アパートやマンションだと依頼する業者が事前に決まっているケースがありますので、管理会社に連絡して確認しましょう。
管理会社が指定する業者に修理・交換を依頼する場合は、割引率が低いので相場より高くなります。
自分で業者を選べる規約だと給湯器の購入費用を抑えることができますので、事前の確認は大切です。
(3)給湯器交換専門業者
給湯器を購入する際に、割引率が最も高いのが給湯器交換専門業者です。
例えばメーカー希望小売価格465,000円のリンナイ20号フルオート(RUF-A2003AG)を、工事費込み180,000円で交換できます。
ただし、安過ぎる価格を提示して、後から高額な請求をする悪徳業者も混じっていますので、実績があり、信頼できる給湯器交換専門業者に依頼することが大切です。
依頼前にホームページなどで施工事例を確認しましょう。
(4)水道の工事業者
水道の工事業者だとサーモスタット混合水栓などの水回りであれば得意分野なので問題なく修理してくれます。
ただし、ガス給湯器については必要な資格や専門知識がなく、給湯器の修理・交換には対応していない場合もありますので注意しましょう。
4.まとめ
シャワーでお湯を使っている途中で水が出てしまうのは、給湯器の仕組み上仕方ない場合もありますし、給湯器本体やサーモスタット混合水栓などの故障の可能性もあります。
リセットを試してみても改善されず、どこが原因なのかわからない場合は、保証期間であればメーカーや施工業者へ、保証期間外であれば信頼できる給湯器交換専門業者に依頼して修理・交換することをおすすめします。