「設定温度より熱い・お湯が多い・ランプが変」これって故障?|夏の給湯器トラブル!
夏場になると給湯器のお湯が熱くなったり、出湯量が増えるといった現象が起こります。
「給湯器の故障なのでは?」と不安になってしまいますが、実は故障ではないケースが多いです。
この記事を読むと、給湯器の夏場の変化や本当に故障している際のサイン、また給湯器交換時の費用相場についてわかります。
目次
1.夏になると違和感? 夏に起こりがちな給湯器の変化
給湯器は季節によって、同じような設定内容であっても働きが少し変化します。その違いを強く感じるのが夏場です。
まずはどのような変化があるのかについて解説していきます。
(1)設定温度よりお湯が熱い?
給湯器は夏場になると、設定温度よりお湯が熱くなりやすいです。原因は外気温の上昇です。
外気温が上昇することによって水道水の温度も上昇し、同じ燃焼効果でも自然とお湯の温度が熱くなります。
ですから夏場にお湯が熱いと感じてもそれは故障ではなく、外気温による影響の可能性が高いのです。
(2)お湯の量がいつもより多い?
外気温は、出湯量にも大きな影響を及ぼします。
水道水の温度が高いと、その分だけ多くのお湯を出すことができるのです。
例えば同じ24号サイズのガス給湯器の場合、水温が20℃まで上昇すると出湯量は毎分30リットルですが、冬場で水温が5℃まで下がると出湯量は毎分17.1リットルとおよそ半分まで落ち込みます。
つまり夏場は1年間の平均量よりもお湯が多く出るのが平常で、お湯がいつもより多いなと感じても給湯器の故障によるものではありません。
(3)燃焼マークがついたり消えたり?
夏場になるとお湯が設定温度よりも熱くなりますが、あまりにも高温にはならないように給湯器が自動で燃焼をコントロールする「間欠燃焼」という機能を備えています。
通常運転で燃焼している場合はリモコンに燃焼マーク(炎マーク)が表示されますが、燃焼を一時的に止めている場合はこのマークの表示が消えます。
突然消えると驚きますが、給湯器の故障ではなく、高温になりすぎるのを防止するための正常運転です。
給湯器の設定温度は42℃がいい? 節約になる設定温度とは
給湯器の温度設定を高くすると、それだけ多くのガスを消費することになるためガス代が高くなります。
ただし40℃以下に設定すると、サーモスタット混合水栓が微妙な水量で調整しなければならず、負担が増して故障しやすくなります。
お湯を使うときは設定温度を50℃から60℃にし、水栓で湯温を調整しましょう。
設定温度を高めにすることで、38℃くらいのお湯を使いたい場合に多くの水が必要になります。
湯温の調整がしやすくなるため、サーモスタット混合水栓の寿命が延びます。
ガス代を節約してもサーモスタット混合水栓が故障して修理するのではコスト削減にはなりませんので、給湯器の設定温度は最低でも42℃以上、50℃くらいがおすすめです。
2.給湯器が故障している場合のサイン
続いて、給湯器が本当に故障している場合のサインについて解説していきます。
給湯器の耐用年数は10年ですが、使用頻度によっては10年より前に故障のサインが出るケースもあります。
(1)お湯が出ない
水道やガスが止まっているわけでなく給湯器からお湯が出なくなったら、給湯器内部の故障の可能性が高いです。
こちらは自分では対処できませんので、専門業者に依頼してください。
内部部品の経年劣化のケースが多く、修理で対応できますが、修理箇所が多い場合は給湯器自体を交換する方がお得になります。
(2)温度が一定しない
急にお湯が熱くなったりぬるくなったりと、お湯の温度が一定にならないのは、給湯器内部の温度調整センサーの不具合などが原因です。
内部のどの部分に不具合が起きているかはリモコンのエラーコード表示で確認が可能ですが、自分での対処は難しいため、専門業者に依頼して修理・交換してもらうのがいいでしょう。
なお、キッチンや洗面所などで同時に利用した場合、水圧が安定せずに温度が一定にならないケースがありますので、浴室だけで利用しても同じ現象が起こるのかは事前に確認してみてください。
(3)追い焚きできない
浴槽のフィルターが汚れているとお湯の取り込みがうまく機能せず、追い焚きが不十分になることがあります。まずはフィルターの清掃をしてみましょう。
それでも追い焚きに不具合が起こる場合は、電気系統にトラブルが発生している可能性が高いですので、専門業者に修理・交換を依頼してください。
(4)異音がする・異臭がする
排気口から異音がする場合、排気口に何かが詰まっている可能性があります。排気口の点検が必要です。
給湯器本体から小さな爆発音とガスの臭いがする場合は、ガス漏れや不完全燃焼といった危険がありますので、利用するのをやめて専門業者に連絡しましょう。
(5)黒い煙が出る(白い煙は湯気の場合があります)
黒い煙が出るのも危険信号です。不完全燃焼を起こしており、一酸化炭素中毒になる危険性があります。
一酸化炭素は無臭のため、臭いでは気づきません。黒い煙が出たらすぐに使用をやめ、換気をしてから専門業者に連絡してください。
排気口からの白い煙は湯気で問題ありませんが、利用を止めてからも出続けている場合は故障している可能性があります。
(6)水漏れしている・内部にサビがある
接続部分が緩んでいたりパッキンが経年劣化していると、給湯器本体から水漏れが起こります。
常に湿気った状態の中でそのまま使い続けると不完全燃焼を起こす危険性がありますので、給湯器が利用できても水漏れを確認したら、専門業者に修理・交換を依頼することをおすすめします。
排気口や給気口がサビている場合も、水漏れを起こしている可能性があります。
3.給湯器の交換費用相場
それでは給湯器が故障しており交換する際の費用相場についてご紹介します。
費用には給湯器本体費用のほか、工事費や撤去費、消費税も含んでいます。
(1)壁掛け・フルオート
従来型ガス給湯器 | 135,000円~145,000円 |
エコジョーズ | 160,000円~170,000円 |
(2)据え置き・フルオート
従来型ガス給湯器 | 155,000円~160,000円 |
エコジョーズ | 170,000円~180,000円 |
(3)熱源付・フルオート
従来型ガス給湯器 | 210,000円~260,000円 |
エコジョーズ | 230,000円~260,000円 |
(4)マンション前方排気・フルオート
従来型ガス給湯器 | 150,000円~160,000円 |
(5)マンションスリムタイプ・フルオート
従来型ガス給湯器 | 170,000円~180,000円 |
4.まとめ
夏場に暑くなると、給湯器のお湯が熱くなったり出湯量が増えたり、燃焼マークがついたり消えたりしますが、この現象は給湯器の故障ではありません。
ただし、お湯が出なくなったり追い焚きができなくなったり、異音や異臭がするような場合は、自然な現象ではなく給湯器の故障が原因と考えられます。
特に給湯器の耐用年数である10年を過ぎている場合は、内部部品に不具合が起こるケースが多くなりますので、専門業者に連絡して修理や交換するのがいいでしょう。