【節電・節ガス】エコでお得な給湯器は?給湯器のランニングコストを比較

電気代やガス代の値上がりが続いている中、2025年から給湯器メーカーの値上げも相次いでいます。
給湯器の交換を検討されているのであれば、できる限り初期費用を抑えつつ、ランニングコストを軽減できる省エネ性能の高い給湯器を選びたいですね。
この記事を読むと給湯器のタイプごとのランニングコストの違いや交換費用相場、初期費用を抑えるための補助金制度についてわかります。
目次
1.節電・節ガスのためには、給湯器選びが重要!

給湯器にはいろいろなタイプがあり、省エネ性能に違いがあったり、使用する燃料も異なります。
それぞれにメリットやデメリットがありますので解説していきます。
(1)エコキュート(電気)
ヒートポンプ技術を用いており、大気中の熱を利用してお湯を作ります。
熱を運ぶ際に電気を使うだけなので、電気代を大幅に軽減できるという点が一番のメリットです。
ただし初期費用が高い点、広い設置スペースが必要になる点がデメリットになります。
また、急に大人数が利用すると湯切れになりますので注意が必要です。
オール電化の住宅でしたら、長い目で比較するとランニングコストを軽減できる最適な省エネ給湯器です。
(2)エコジョーズ(ガス)
都市ガス、LPガスを燃料としたガス給湯器で、排熱を利用するため従来型のガス給湯器よりも省エネ効果が高くなります。
ほかの省エネ給湯器と比較して、初期費用を抑えられる点が一番のメリットです。
設置スペースもコンパクトなので、給湯器に場所を取られたくない人のニーズも満たしています。
ただし、ドレン排水の工事が必要なので、従来型のガス給湯器よりも初期費用は高くなります。
(3)ハイブリッド給湯器(電気+ガス)
電気とガスの長所を取り入れたのがハイブリッド給湯器です。
大気中の熱を利用してお湯を作るだけでなく、日中にお湯を沸かす際にはガスを利用することで湯切れを防ぐことができます。
設置スペースもエコキュートより場所を取らず、ランニングコストの軽減も大きい点がメリットですが、初期費用が高い点と寒冷地での使用が難しい点がデメリットです。
また、ガスを使用していないオール電化住宅には設置できません。
(4)電気温水器
電気を利用してお湯を作る給湯器です。
ランニングコストはエコキュートに及びませんが、初期費用を安く済ませることができる点、貯湯タンクだけの設置のためエコキュートよりも場所を取らない点がメリットです。
ランニングコストが高いため、省エネ性能はほかの給湯器に劣ります。
2.給湯器のランニングコスト比較と省エネ給湯器の上手な選び方

ここでは、給湯器のランニングコストの比較と省エネ給湯器の上手な選び方についてご紹介します。
それぞれの給湯器でどのくらいランニングコストに差があるのか、また、ニーズによってどの給湯器が最適なのかについてお伝えいたします。
省エネ給湯器選びについてお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
(1)給湯器タイプ別年間ランニングコスト
給湯器のタイプごとに、どのくらいランニングコストに差があるのかご紹介します。
従来型ガス給湯器
燃料 | 年間ランニングコスト |
都市ガス | 約75,000円 |
LPガス | 約110,000円 |
エコジョーズ
燃料 | 年間ランニングコスト |
都市ガス | 約63,000円 |
LPガス | 約92,000円 |
電気温水器
燃料 | 年間ランニングコスト |
電気 | 約104,000円 |
エコキュート
燃料 | 年間ランニングコスト |
電気 | 約22,000円 |
ハイブリッド給湯器
燃料 | 年間ランニングコスト |
都市ガス+電気 | 約44,000円 |
LPガス+電気 | 約56,000円 |
(2)ニーズ別おすすめ給湯器タイプ
続いて、ニーズによってどの給湯器が最適なのかについてご紹介していきます。
① とにかくランニングコストを抑えたい
圧倒的にランニングコストを軽減できるのがエコキュートで、同じ電気を燃料とする電気温水器と比較するとおよそ8割の節約ができます。
ただし大気の温度に左右されますので、寒冷地ではエコキュートの年間ランニングコストは約33,000円になります。
それでもほかの省エネ給湯器よりも、ランニングコストを抑えることが可能です。
② 初期費用を抑えたい
この後の項目で交換工事費用の目安を紹介しますが、初期費用が安いのはエコジョーズです。
③ 設置スペースに余裕がない
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの設置が必要なため場所を取ります。
設置スペースに余裕がないのであれば、狭いスペースでも設置可能なエコジョーズやハイブリッド給湯器が最適です。
④ オール電化&太陽光発電設置を検討している
ガスを使用しないのであれば、選択肢としてはエコキュートと電気温水器です。
太陽光発電を設置すれば、夜間に外気温の低い時間帯にお湯を沸かさずとも、太陽光発電と連携することで外気温の高い昼間にお湯が沸かせるので、エコキュートの節電効果は高くなります。
⑤ 補助金の活用を考えている
2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて国や自治体が省エネ給湯器の普及に力を入れていますので、今なら高効率給湯器を購入する際に支援を受けられます。
国が支援しているのは、3省連携の「住宅省エネ2025キャンペーン」で、その中の「給湯省エネ2025事業」では、エコキュートとハイブリッド給湯器が対象になっています。
補助金が交付されることで初期費用を軽減したいのであれば、エコキュート、ハイブリッド給湯器が最適です。
ほかにも、自治体独自で支援している事業もあります。
東京都在住者限定の「東京ゼロエミポイント」であれば、エコキュート、ハイブリッド給湯器のほかにエコジョーズも対象になります。
お住まいの自治体の公式Webサイトを確認するなどして、対象になる補助金・助成金制度がないか事前に確認しておくのがいいでしょう。
3.省エネ給湯器の交換費用と補助金情報

最後に、給湯器のタイプごとの交換費用の目安と利用できる補助金制度について解説していきます。
(1)給湯器別タイプ交換費用相場
給湯器のタイプごとに、大きさ・機能と交換費用相場について整理します。
交換費用相場は、本体価格のほか、標準工事費、撤去費、消費税込みの費用です。
また、「熱源付」や「給湯暖房」の表示があるタイプは、給湯のほか、床暖房や浴室暖房乾燥機に利用することも可能です。
エコジョーズ
大きさ・機能 | 交換費用相場 |
24号 フルオート | 19万円 |
24号 フルオート 熱源付 | 26万円 |
エコキュート
大きさ・機能 | 交換費用相場 |
370L フルオート | 38万から78万円 |
460L フルオート | 48万から83万円 |
ハイブリッド給湯器
大きさ・機能 | 交換費用相場 |
フルオート | 84万から105万円 |
フルオート 給湯暖房 | 106万から129万円 |
(2)給湯器交換に利用できる補助金制度
① 住宅省エネ2025キャンペーン|給湯省エネ2025事業
国が支援する事業で、登録している販売業者を通じて申請ができます。
対象期間
2024年11月22日以降の工事から2025年12月31日まで
※予算の上限になると期間内でも終了となります。
補助金額
- エコキュート 1台あたり基本補助金額6万円(性能によって最大7万円の加算)
- ハイブリッド給湯器 1台あたり基本補助金額8万円(性能によって最大7万円の加算)
- 設備導入時に蓄熱暖房機を撤去する際は8万円の加算、電気温水器を撤去する際は4万円の加算
② 東京ゼロエミポイント
東京都が支援する事業で、都内在住者限定で、登録している販売業者で購入する際に直接値引きされます。
対象期間
2024年10月1日から2027年3月31日
※予算の上限になると期間内でも終了となります。
補助金額
エコジョーズ、エコキュート、ハイブリッド給湯器 値引き額12,000円
③ その他
東京都以外でも、自治体ごとに支援事業を行うケースがあります。
お住まいの自治体で行っている補助金・助成金制度については、事前に確認しておくのがいいでしょう。
4.まとめ

今後も光熱費が上がっていく可能性を考慮すると、より節約できる省エネ給湯器がお得です。
ただし、ランニングコストを軽減できる一方で、省エネ性能の高い給湯器は初期費用が高くなりますので、国や自治体が行っている補助金制度を利用するのがいいでしょう。