給湯器の故障でお困りの方へ|症状別の原因と対策
給湯器をお使いのご家庭でシャワーを浴びようと思ったら、
「冷水しか出ない」または「水すら出ない」、こんなことになったら大慌てですよね。
「給湯器」は、生活に不可欠な設備だけに給湯器の修理や交換は、スピーディな対応が必要になります。
ここでは給湯器の故障でお困りの方へ、症状別の原因や対策のポイントをお伝えしていきます。
【目次】
- 給湯器には寿命があります
- 給湯器の故障|主な原因とは?
- 故障かな?給湯器の不具合|症状別の原因と対策
- 給湯器の劣化を防ぐ使い方のコツ
- 給湯器の故障|放置は絶対にダメ!危険です
- 修理を依頼する前に|自分でできることはある?
- 不具合が直らない|修理と交換はどっちがお得?
- まとめ
1.給湯器には寿命があります
給湯器の耐用年数については、日ごろあまり気にされる機会はないと思います。
しかし、どんなに高性能な給湯器を使っていても、
正しい使い方をしていても、必ず「寿命による劣化や故障」は起きてしまいます。
これは給湯器に限らず、どんな製品にも当てはまることでしょう。
給湯器の寿命はおよそ10年です。
つまり設置して10年以上経過している給湯器であれば、故障に備える必要があると考えましょう。
「使っている給湯器がいつ設置されたのかわからない」という方は、本体に製造年月日が記載されていますので、
そちらを確認してみてください。
2.給湯器の故障|主な原因とは?
給湯器の故障には、いくつかの原因が考えられます。
どういう原因で故障するかを理解しておくと、予防はもちろん、
故障した際も迅速に対応できますので、ぜひ知っておいてください。
劣化
まず故障の原因に挙げられるのが、製品としての寿命です。
耐用年数の目安は10年ですが、使い方や環境にもよりますので、
「8年~15年」程度の幅で、経年劣化による故障が発生すると覚えておくとよいと思います。
特に、接続部分のゴムパッキンは、劣化が生じやすい部品の一つ。
ここが劣化すると破断して水漏れが起こります。
給湯器は突然水やお湯が出なくなって、寿命による劣化に気づくケースがほとんどです。
そろそろ寿命かな?と心配なご家庭は、一度、専門業者に見てもらうと安心でしょう。
過度な負担
給湯器の「号数」は、1分間にどのくらいのお湯の量(水温+25度)を出すことができるのかという給湯能力を示しています。
1人暮らしであれば16号、2人家族なら20号、4人家族は24号というように、状況に合わせた号数を使用する必要があります。
本来の給湯能力以上の負担をかけてしまうと、それだけ寿命は短くなりますし、故障するリスクも高まります。
また、冬場は水温が低いので、続けてお湯を沸かすことも負担となります。
環境
給湯器は、一般的に屋外設置タイプが広く使われています。
そのため、ある程度の風雨には耐えられるように作られていますが、
暴風雨に長時間さらされ続けたり、飛来物が衝突したりすることによる破損や故障は、どうしても起こります。
また、大雨によって吸気口や排気口から内部に水が入り込み、点火しにくくなったり、
たまったホコリや直射日光によって劣化することもありますので、設置する環境は重要です。
そのほかにも交通量の多い道沿いへ設置すると排気ガスやホコリを多く吸い込んでしまうので、
どうしても故障しやすくなってしまいます。
凍結
冬場の故障の原因で多いのが「凍結」です。
給湯器に繋がれている水道管は外気温の影響を受けやすく、0度以下になると配管内の水が凍ってしまうことがあります。
給水配管がもっとも凍結しやすいため、凍結している間は当然のように水を使うことはできません。
3.故障かな?給湯器の不具合|症状別の原因と対策
I 水が出ない場合
まずは断水ではないかどうか確かめる必要があります。
複数の蛇口で水が出ないのであれば断水の可能性が高いでしょう。
冬場であれば凍結の可能性もあります。
凍結の場合、お湯をかけるなどして無理に復旧しようとすると配管や給湯器本体の破損・故障にも繋がりますので、
自然解凍を待つようにしてください。
凍結を予防するのであれば、夜間も蛇口からごく少量のお湯を出しておくという対策方法があります。
ひとつの蛇口で水が出ないのであれば、何らかの原因で「水漏れ」しているかもしれません。
水漏れしているのであれば、業者に修理もしくは交換の相談をしたほうがよいでしょう。
II お湯が出ない場合
お湯が出ない原因もいくつか考えられます。
ひとつは単純に「ガスの元栓」が閉じている場合です。
こちらは故障ではないのですぐに復旧できます。
問題はお湯がなかなか温まらないというケースです。
給湯器から、いつまでも水しか出ない場合は給湯器の故障が考えられます。
古い給湯器ほど温めるのに時間がかかりますので、新しい給湯器に交換するという方法が有効です。
一部の水栓だけがぬるいのであれば、水栓金具の不具合かもしれません。
すべての水栓でぬるいのであれば給湯器の問題です。
ガスメーターが遮断している可能性もありますので、この場合はガスメーターの復帰操作が必要です。
III 異音・異臭がする
ポンプの回転による「ブーン」という音は、
お湯を混ぜる作業であったり、凍結予防のためなので故障ではなく、問題はありません。
「ピー」という高い音がする場合は、ファンモーターの不具合の可能性がありますので、交換の必要があります。
点火した後に「ボン」という音が続き、ガス臭くなるようでしたら
給湯器の不完全燃焼による「ガス漏れ」の危険性がありますので、すぐに使用を停止し、専門業者に連絡しましょう。
不完全燃焼の際には黒煙が出るというサインもあります。
また酸っぱいニオイにも注意です。こちらの症状も修理または交換の必要があります。
4.給湯器の劣化を防ぐ使い方のコツ
それでは、どのように使用していけば給湯器の経年劣化を少しでも防ぐことができるのでしょうか?
しっかり排気できる環境
十分な排熱や排気が行われないと、給湯器は不完全燃焼が起こりやすくなります。
故障の原因になりますから、排気口の前や周辺に物を置かないことが大切です。
よく車が走る道沿いに排気口を向けていると、ホコリなどが詰まりやすくなり、
同じような現象になりますので、給湯器の場所、排気口の向きなども考えて設置するとよいでしょう。
定期的にフィルターを清掃することも故障を防ぐポイントです。これだけの工夫でも給湯器の寿命を延ばすことができます。
入浴剤はあまり使用しない
給湯器をお風呂で利用する際にも劣化を防ぐコツがあります。
温度の下がってきた浴槽のお湯を温める「追い焚き機能」はとても便利ですが、入浴剤を含んだお湯は注意が必要になります。
追い焚きの仕組みは、浴槽のお湯を給湯器に送り込み、再加熱して排出するというものです。
そのため入浴剤を使用していると、給湯器にダメージを与える可能性があります。
中性の入浴剤であれば問題ありませんが、
「硫黄や塩分、酸、アルカリ性」を含む入用剤は銅製の配管の腐食をまねく可能性があります。
ですから給湯器の劣化を防ぐためには、問題のない入浴剤を使うようにしてください。
また、使い終わったらすぐにお湯を抜き、入浴剤の成分が残らないようにしっかりと洗い流し、
定期的に配管も清掃することで給湯器の寿命を長くすることができます。
5.給湯器の故障|放置は絶対にダメ!危険です
給湯器が故障したかなと思ったら、どこがおかしいのかチェックし、すぐに対応するようにしましょう。
放置は絶対にダメです。
そのままの状態で使い続けた場合、重大な故障に繋がるだけでなく、重大事故が起こる危険性があるからです。
たとえば給湯器内部で水漏れが発生している場合、
不完全燃焼のために炎が通常の青色ではなく、黄色になります。
この不完全燃焼によって有害な一酸化炭素(CO)が発生し、健康被害に直結するのです。
一酸化炭素は無色無臭のため気づきにくく、わずかな量を吸っただけでも中毒症状を引き起こします。
給湯器自体の故障、ファンにホコリが詰まったり、
配管が腐食するなどで実際に一酸化炭素中毒の事故が発生していますので、注意してください。
異常を感じたら、すぐに修理する、または交換することが重要になります。
6.修理を依頼する前に|自分でできることはある?
不具合を感じた際に試してほしいことのひとつは、「再起動」です。
とりあえず一度電源を切り、もう一度電源を入れてみてください。
これだけでお湯が出るようであれば問題ないでしょう。
電源だけでなく、「ガス栓の確認」、「水栓の確認」で対応できるケースがあります。
リモコンのコントロールパネルにエラーコードが表示されているのであれば、
それが何を示しているのか確認してみましょう。
また、空焚きを防ぐために、ある程度のお湯が浴槽にないと追い焚きができない機能が搭載されている場合もあります。
ただしこれらの方法を試しても改善されないようでしたら、すぐに専門の業者に連絡するようにしましょう。
7.不具合が直らない|修理と交換はどっちがお得?
給湯器に不具合が起きたら、修理するか、交換するかという選択になりますよね。
では、交換と修理は、どちらがお得なのでしょうか?
修理費用の相場と期間
給湯器が故障したとき、まず検討するのは修理です。
給湯器が保証期間内かどうかを確認してください。
保証期間内でしたら無償で修理が行えます。
メーカーの保証期間はだいたい1年~5年くらいになりますから、その期間内であれば修理が前提になってきます。
ただし給湯器の寿命の目安が10年ほどですから、経年劣化による故障となると保証期間は終了していることが考えられます
(10年までの保証は付けられますので、保証期間内の可能性もあります)。
こうなると劣化した部分の修理をするか、まるごと交換するのか悩むことになるのでしょう。
修理自体は1日ほどで終わりますが、修理する箇所によって費用は変わってきます。
故障した箇所による修理費用の目安は下記のとおりです。
- 電気系統 6千円(~5万円以内)
- 安全装置 8千円(~6万円以内)
- 水制御系 1万円(~4万円以内)
- 操作リモコン 1万5千円(~4万円以内)
- 燃焼系統 2万円(~3万5千円)
ただし製品が古いと製造中止になっている部品もありますので、そうなるとメーカーも対応できず高額になるケースもあります。
給湯器を交換する場合の費用相場
修理で済ますべきか、交換するのかで悩んだ場合、判断基準となるのが、
故障の原因が、「寿命によるものかどうか」と「旧式の給湯器と新型の給湯器の光熱費の差」の2点です。
ランニングコストも考慮しておくと、長い目で見てお得です。
ちなみに給湯器をまるごと交換することなっても、国内メーカーは工業規定で同じになっているので互換性はあります。
交換が完了するまでにかかる日数は3日~1週間ほどです。
費用の目安は設置費用込みで15万円以上になります。
製品自体は給湯器の号数で変わってきますので、大家族の場合はそれだけ高くなりますし、
逆にひとり暮らしであれば小さなものでも十分なので安く済みます。
床暖房や浴室乾燥暖房機をお使いでしたら、熱源付きのエコジョーズにするとコストを大幅に抑えることができ、かなりお得です。
【給湯器の定価目安】
- 壁掛け給湯器 25万円~35万円
- 据え置き給湯器 27万円~36万円
- 熱源付給湯器 42万円~44万円
- 壁掛け給湯器エコジョーズ 30万円~40万円
- 据え置き給湯器エコジョーズ 30万円~40万円
- 熱源付給湯器エコジョーズ 44万円~49万円
- マンション前方排気給湯器 24万円~38万円
- マンションスリムタイプ給湯器 26万円~36万円
仮に部分的な修理でその場はなんとかしのいでも、全体的な劣化は進んでいますから、
また別の箇所で不具合が生じて修理することになり、まるごと交換するよりも
結果的に費用がかかってしまったというケースもあります。
給湯器が寿命の時期を迎えているのであれば、部分的な修理ではなく、
思い切って交換してしまった方がいいのではないでしょうか。
まとめ
給湯器の修理、交換については信頼できる業者に依頼することが大切です。
実績があり、評判の良い業者であれば安心してお願いすることができるでしょう。
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